建設費はついに「月探査計画」超え
そもそも、HS2の車両そのものは、日本の技術と無縁ではない。HS2の公式発表にも記載の通り、54編成の高速車両を日立製作所とフランスのアルストム(Alstom)が折半で出資する共同事業体(ジョイントベンチャー)が設計・製造し、日本の新幹線と欧州高速鉄道の最新技術をベースにしている。
車両自体は、むしろ新幹線の系譜を引く堅実な設計だ。HS2の信号・列車制御は、欧州標準のETCS(European Train Control System)のレベル2を採用する。コストが膨れ上がったのは、これら以外の問題。すなわち、路線の土木工事や許認可、地域対応といった、車両や制御システムの周辺対応コストである。加えて、イギリス政府として世界最速を狙った過大な速度目標も災いした。
HS2の見積総額は、ついにNASAの「アルテミス」計画を上回る規模に達した。
ここから先は無料会員限定です。
無料会員登録で今すぐ全文が読めます。
プレジデントオンライン無料会員の4つの特典
- 30秒で世の中の話題と動きがチェックできる限定メルマガ配信
- 約5万本の無料会員記事が閲覧可能
- 記事を印刷して資料やアーカイブとして利用可能
- 記事をブックマーク可能
