小さな成功体験が意欲を戻す
ビジネス界で注目されている「ワークエンゲージメント」という概念。これは、仕事を通じて活力を得て、熱意を感じつつ、没頭することで高いパフォーマンスが発揮できる状態を指します。
厚生労働省「令和元年版 労働経済の分析」によれば、ワークエンゲージメントが高いと離職率が低く、生産性が高いことが証明されています。
さらに、内閣府の「高齢社会白書」によると60代の就業理由の多くは「生活の糧(金銭)」ですが、その次に多いのが「働くのはからだによいから、老化を防ぐから」です。つまり、50代で一度折れかけたモチベーションをどう再構築するかで、その後「若々しく過ごせるか」どうかが決まってくるのです。
モチベーションを上げるには、どうしたらいいでしょうか。それは「自己効力感」を高めることです。自己効力感とは大きな壁が立ちはだかったときに自分なら乗り越えられると認識することです。成功体験を積むこと、他者から褒められること、何事もポジティブに向き合うことで自己効力感を高められます。
成功体験を積もうと何度も失敗した場合、「努力しても報われない」と思うようになってしまうので、「料理ができるようになる」「毎日、腹筋を鍛える」などできるだけ達成できそうな目標からスタートするといいでしょう。
モチベーションを上げる環境をつくるのも手です。
居場所を整え、次の仕事を考える
僕の場合は仕事場に行って机に座ると自分の居場所に来たと、気持ちが上がります。旅行から帰ってきて、自宅に戻ると「ああ、やっぱり家が落ち着く」と思うのと一緒です。
環境を整えて、居心地のいい空間をつくるとモチベーションも上がってくると思います。例えば好きな写真を飾ったり、好きなゴルファーのカレンダーを置いたりするのもいいかもしれません。
ただし、前向きになれないこともあると思います。そんなときは無理をせずに「ちょっと疲れているからしょうがない」と思って、自分を癒やしてあげましょう。早い人だと、40代後半くらいになると定年後の働き方を考え始める人もいらっしゃると思います。定年後の働き方は転職や再雇用、起業に独立、といった選択肢があります。
次の仕事を何にするか、それを考えたときに2通りあると思います。僕は二毛作と二期作と呼んでいます。
二期作は同じような仕事をすること。例えば今まで定年前の仕事が経理なら、会社が変わっても同じ仕事内容の経理を選ぶことをいい、二毛作は経理だったけど蕎麦屋さんになるといった、まったく違う仕事をするということです。
二毛作の場合は、新しい仕事になりますから、めぼしい人間に声かけをしておく。碁でいうと布石を打っておくということになります。二期作はお金を儲けるというよりは、手堅く稼ぎたいという人に合った仕事の仕方だと思います。

