なぜいま再評価されているのか?
6月10日、有明のSGCホールで大滝詠一トリビュート公演『SPECIAL LIVE A Tribute to EIICHI OHTAKI』が開かれた。2013年に亡くなったミュージシャン、大滝詠一が音楽賞「ミュージック・アワード・ジャパン」でその功績を讃えられ、日本を象徴する音楽家として再評価されたからだ。彼自身について、同賞では次のように紹介している。
フィル・スペクター、ブライアン・ウィルソン、エヴァリー・ブラザーズなど1960年代のアメリカン・ポップスへの憧憬を日本的な感性と交配させた再解釈で独自のサウンドを構築した大滝詠一は、日本の音楽史を語る上で最重要人物のひとりであり、都会的で洗練されたサウンドとノスタルジックなメロディを包含する彼の音楽は今なお、国内外のアーティストたちのインスピレーションの源泉となっています。
45年前、「シティポップ」というジャンルを打ち立てた
フィル・スペクター(音楽プロデューサー)、ブライアン・ウィルソン(ザ・ビーチ・ボーイズ)、エヴァリー・ブラザーズ(アメリカ1960年代のデュオ)について知らない人はこの文章を読んでも、よくわからないのではないか。3人は大滝詠一が「都会的で洗練されたサウンド」を作るのに影響を与えた人だ。
わたしが思うに、大滝詠一が再評価された最大の要因は「世界でブレイクしているシティポップ」を創りだした功労者だからだ。「都会的で洗練されたサウンドとノスタルジックなメロディ」とはシティポップを指す言葉で、代表的なヒット作が彼のアルバム『A LONG VACATION』(1981年)と言っていい。大滝詠一が創始に関わったシティポップは今や日本発の音楽ソフトとして大きな存在感を示している。


