米国が売るのは「持ちこたえる」武器

米誌「Newsweek」(日本版/2025年12月22日)は、記事「トランプ政権、台湾に『約111億ドル』の武器売却承認―─『安定化』のはずが……米中に火種?」の中で、武器の内訳を〈高機動ロケット砲システム(HIMARS)とM109自走榴弾砲で各40億ドル以上、対戦車ミサイルのジャベリンやTOWなどで7億ドル以上などが含まれる〉と具体的に報じている。

2011年5月24日、ワシントン州中部のヤキマ演習場にて、高機動ロケット砲システム(HIMARS)
2011年5月24日、ワシントン州中部のヤキマ演習場にて、高機動ロケット砲システム(HIMARS)(写真=Sgt. Christopher Gaylord/DVIDSHUB/CC-BY-2.0/Wikimedia Commons

聞き覚えのある名前ばかりのように感じられるのは、その多くがロシアと戦うウクライナ軍に対して大量に供与されてきた武器だからだ。以前であれば、台湾への武器売却は、F-16戦闘機などの先進かつ大型の兵器に焦点が当てられていたが、今回はそうではない。「Newsweek」はその理由を、〈武器の携行式、小型化、低コスト化を進めて「非対称戦」能力開発を求めている〉と解説している。

「非対称戦の能力開発」という言葉を、さらに踏み込んで解釈するならば、「(中国軍が)侵攻してきた場合に、その代償を払わせるための武器」となる。つまり、中国軍と対等に戦い、その攻撃を跳ね返し、侵攻を阻むための戦いではもはやなく、軍事力で中国軍に大きく劣る台湾軍が、外から助けが来るまで“何とか持ちこたえる”ための武器であり、相手に少しでもダメージを想像させるための武器ということになる。