「曖昧な表現」「難しいだけ」の本もNG
(4)著者の表現に自信がなく、断定せず曖昧
「~だと思います」「~かもしれません」「一概には言えませんが」。こうした言い回しが多い本には、注意が必要です。もちろん慎重さは大切です。しかし、ビジネス書で曖昧な表現が続くと、読者はこう思います。
「で、結局どうすればいいの?」
行動を起こしたいのに判断材料がぼやけている。それでは動けません。ビジネス書に求めるのは、正解かどうか分からない意見ではありません。
「私はこう結論づける。だから、まずこれをやりましょう!」
その一言です。経験や実績に裏打ちされた著者は断定できます。リスクも前提も承知のうえで、それでも言い切る。一方、終始ぼかした表現が続く本は、著者自身が確信を持てていない可能性があります。読んでいて、「結局どうすればいいのか分からない」と感じたら、それがやめ時です。
(5)難しいことを難しく書いていて、分かりやすくする工夫が見られない
説明が回りくどい、一文が長い、意味が読み取れない。そんな状態が続き、理解するために何度も読み返す。「分かる人だけ分かればいい」という書き方が続く場合、読むだけで疲れてしまいます。その時点でやめる対象です。良いビジネス書は、難しい内容であっても、たとえ話や言い換えを使い、読み手に理解してもらおうと心がけます。
難しいことを難しく書くのは簡単です。難しいことを簡単に書くのが難しいのです。私も著者として、いかに分かりやすい言葉で書くかに力を注いでいます。
具体例、エピソードは載っているか
(6)抽象語ばかりで使えない本
「本質的」「戦略的」「主体性」「可能性」などの言葉が多いのに、具体的な場面や行動の説明がない本にも注意が必要です。言葉は正しそうでも、頭に情景が浮かばない。
判断の目安は、「それは、いつ・誰が・何をした話なのか」と自分で補わなければならない状態が続くかどうか。良い本は、抽象語のあとに具体例やエピソードを示し行動をイメージさせます。
読み進めても「結局、何をすればいいのか分からない」と感じたら、やめ時です。抽象語ばかりの本は、重要そうに見えて、実は役に立たないことが多いのです。
「せっかく買ったから」という思いが、あなたの貴重な時間を奪います。大切なのは、何冊読んだかではなく、どれだけ行動や思考が変わったか。合わない本を手放すことで、次の一冊、次の学びに進む時間も生まれます。本を途中でやめることは、限られた時間を守るために必要な選択なのです。

