だからクロアチアに完敗した

周りの選手もそれがわかっているからこそ、彼らが前線に起用されたら森保監督の意図を読み取り、自分たちが主体的にボールをつなげる意思を調整。スペースにボールを蹴って追いかけさせ、リスクを避けていた。

スタジアムに置かれた万国旗の柄のサッカーボール
写真=iStock.com/JONGHO SHIN
※写真はイメージです

そして、中途半端な姿勢を、クロアチアに見抜かれたのだ。

小宮良之『最高の景色』(リベラル新書)
小宮良之『最高の景色』(リベラル新書)

日本は戦力ではクロアチアと互角だったが、監督の戦略、戦術では下回っていた。

クロアチアが日本の戦いに適応したのち、日本は「失点をしない」「膠着させる」に立ち戻るしかなかった。上回る策がなかったのである。

交代させずにフォーメーションを変えたり、人を入れて攻撃の強度を上げたり、そういう工夫はできなかった。攻撃は「個」の偶然性に頼り、主体性を欠いていたからだ。

カタールでの日本は能動的な戦い方を突き詰められず、多くの選手はストレスを抱えてプレーしていた。結果を残したが、それは進歩、進化とイコールでは結べない。

ロシアW杯のベルギー戦の方が、主体性の点で浪漫も感じさせた。選手個人の戦力ではやや劣ったが、組織としては攻守の着地点を見出し、個人が躍動していたからだ。

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