約2700人から死者数が減らない問題

2025年のタテシナ会議に出席した人はトヨタの会長、スズキ、スバルの社長を始め、およそ80人だった。

会議の冒頭、進行役のトヨタ・モビリティ基金理事の岡崎五朗が交通事故の現況について語った。わかりやすく、そして、人々の危機感に訴える名講演だった。

岡崎の話はトヨタのオウンドメディア、トヨタイムズでも動画を見ることができる。

彼はこう話した。

「みなさん、交通事故は減ってきています。ピークは1970年です。当時、1万6765人の方が交通事故でお亡くなりになりました。その時と比べれば、このように今、死者は6分の1以下(2663人、2024年)にまで減ってきています。非常に誇るべきものだと思いますが、一方で、2020年以降、ほぼ横ばいになってしまっています。現在、交通事故で亡くなる人は、国内でおよそ2700人。世界では年間119万人もの人が犠牲になっています。しかも若年層が非常に多く亡くなっています。若年層の死亡率では、交通事故が第1位です」

なぜ「7歳児」が最も多いのか

以下、この会議で配られた資料のデータである。

日本国内の交通事故被害では歩行者、自転車の死者の割合があわせて50%を超えている。 

世界各国の交通事故死者数を見ると、世界は乗用車の事故で亡くなっている人が多い。一方、日本は歩行中、自転車乗用中の事故が多い。(図表2)

【図表】日本の交通事故被害の特徴
出所=交通事故総合分析センター資料より、タテシナ会議事務局が作成

また、岡崎の発表で参加者が一様に「この事実は知らなかった」と話していたのが、歩行中の交通事故の死傷者数でもっとも多いのが7歳児ということだ。わたしも初めて知った。

岡崎はこう説明していた。

「グラフに明らかに表れているのは7歳、5530人の子どもたちが死傷している。高齢者より大きな数字です」

7歳といえば小学校1年生、2年生だ。道路への急な飛び出しのような行動が事故につながっていると思われる。

電動キックボードの事故は増加している

各国の交通手段別交通事故死者数の構成率(2022年)図3には7歳児の交通事故死傷の特徴が載っている。飛び出し、横断、信号無視、路上遊戯が事故を招く理由となっている。

【図表】歩行者の事故の特徴
出所=交通事故総合分析センター資料より、タテシナ会議事務局が作成

交通事故死ゼロを目指すには7歳児を中心に保育園児、小学校1年生、2年生に繰り返し交通安全教育を行うことだ。