どちらが「軍国主義」なのかは明白
条約や人道上の原則、そして国際的な約束が、地政学的な事情に合わせて都合の良いように無視されるなら、信頼はもはや広く成立しなくなり、条件付きかつ選択的・取引的なものへと変質してしまう。そう警鐘を鳴らす同氏の発言は、中国への批判が相次いだ議場にあって、あえていずれの陣営の論理とも距離を置こうとする声として響いた。
国家間に利害関係がある以上、認識の相違や摩擦が生じるのは避けられない。
問われるのは、その際にどう振る舞うかだ。相手のいない場で根拠のない主張を繰り返すのではなく、直接顔を合わせての率直な対話こそが求められる――。小泉氏はシャングリラ会合の本会議でそう述べ、日本の対話の扉は常に開かれていると寛容な姿勢を示した。
さらに小泉氏は、結びとなる一言でこう訴えた。自由で開かれたインド太平洋は、誰かから与えられるものではない。自分たち自身の手で築き、守り、次の世代へ引き継いでいくべきものだ、と。
建設的な議論の場を踏みにじり、諸外国を次々と煽ったのは、どちらだったのか。事実とデータを前にすれば、「日本は新型軍国主義」とのレッテルが実態から遠く離れたものであることは、多くのアジア諸国の目にも明らかだったことだろう。


