どちらが「軍国主義」なのかは明白

条約や人道上の原則、そして国際的な約束が、地政学的な事情に合わせて都合の良いように無視されるなら、信頼はもはや広く成立しなくなり、条件付きかつ選択的・取引的なものへと変質してしまう。そう警鐘を鳴らす同氏の発言は、中国への批判が相次いだ議場にあって、あえていずれの陣営の論理とも距離を置こうとする声として響いた。

国家間に利害関係がある以上、認識の相違や摩擦が生じるのは避けられない。

問われるのは、その際にどう振る舞うかだ。相手のいない場で根拠のない主張を繰り返すのではなく、直接顔を合わせての率直な対話こそが求められる――。小泉氏はシャングリラ会合の本会議でそう述べ、日本の対話の扉は常に開かれていると寛容な姿勢を示した。

さらに小泉氏は、結びとなる一言でこう訴えた。自由で開かれたインド太平洋は、誰かから与えられるものではない。自分たち自身の手で築き、守り、次の世代へ引き継いでいくべきものだ、と。

建設的な議論の場を踏みにじり、諸外国を次々と煽ったのは、どちらだったのか。事実とデータを前にすれば、「日本は新型軍国主義」とのレッテルが実態から遠く離れたものであることは、多くのアジア諸国の目にも明らかだったことだろう。

2026年5月20日、ロシアのプーチン大統領の中国訪問は、中華人民共和国の習近平国家主席との茶会で締めくくられた
中華人民共和国の習近平国家主席(写真=Kremlin.ru/CC-BY-4.0/Wikimedia Commons
【関連記事】
【写真をみる】覚醒中の小泉防衛大臣(本人)
習近平に特大ブーメラン…中国の「新型軍国主義」批判を黙らせた小泉進次郎大臣の"反論"を米側が絶賛した理由
習近平が「日本に行くな」と煽った悲惨な結果…友好国・ロシアに向かった中国人客の「ぼったくり被害」、死者も【2026年4月BEST】
だから習近平は台湾にも尖閣にも手を出せない…中国軍が最も恐れる海上自衛隊の「静かな反撃力」の正体
「日本の新幹線が最良の手本」と言いながら…習近平に乗り換えたベトナムが"10兆円の鉄道計画"で招いた大誤算