退職代行が一番多く使われる職種

株式会社マイナビが2024年に行った調査によれば、直近1年間(2023年6月以降)で転職した人の16.6%が退職代行サービスを利用していたという。年代別では、20代が18.6%でもっとも高く、30代が17.6%、40代が17.3%、50代が4.4%である。つまり、50代を除く幅広い年代に利用されており、若年世代の利用率が高い。

また、転職活動時の職種は、「営業」が25.9%でもっとも高く、「クリエイター・エンジニア」が18.8%、「企画・経営・管理・事務」が17.0%と続いた。

わずか10年前には退職代行はほとんど存在しなかったことを考えれば、転職者全体の2割弱がわざわざ退職代行サービスを利用しているというのは、驚くべき実態だ。

「退職を引き留められたから」

なぜ退職代行の利用はこれほど急激に広がったのか。

同調査によれば、上位の3回答は次のようになっている。すなわち、「退職を引き留められた(引き留められそうだ)から」が40.7%でもっとも高く、「自分から退職を言い出せる環境でないから」が32.4%、「退職を伝えた後トラブルになりそうだから」が23.7%と続いている。この上位の回答項目だけを見ると、やはり、企業側の圧力を回避するための手段として利用されているようだ。

作業着を着てオフィスで打ち合わせをするビジネスマン
写真=iStock.com/koumaru
※写真はイメージです

だが、4位以下ではこのような回答が見られた。

・いち早く退職する必要があるから 22.4%
・退職のやりとりや手続きが面倒だから 13.8%
・退職理由を考える(伝える)のが面倒だから 13.4%

これらの回答も上位の回答と比べてごく少数とはいえず、「すこし気まずい」「面倒くさい」といった軽い気持ちでの利用も広がっていることが窺われる。つまり、今日の退職代行は、もはやブラック企業対策とはいえない。新たな段階に広がりを見せているということだ。