フレイルは高齢者だけの問題ではない

人間の体は、使わない部分から衰えていきます。中でも筋肉は特に影響を受けやすく、運動量が減ると筋肉量と筋力が急速に低下する「サルコペニア」という状態につながっていきます。

さらに悪化すると、転倒や要介護のリスクが高まる「フレイル(虚弱)」という衰弱状態へと移行してしまうのです。

これは、高齢の方だけに起こる問題ではありません。実際、海外の研究では、健康な若年男性が3週間ほぼ安静に過ごしただけで、40年分に相当する持久力の低下が見られたという報告があります。

「適度な運動」は高血圧を撃退する

心臓を老化させる二大要因は、「高血圧」と「高血糖」です。これらをコントロールするためには、食事の工夫ももちろん大切ですが、それと同じく、あるいはそれ以上に強力な改善策となるのが「適度な運動」です。運動には、薬に頼りすぎる前に自らの体の機能を高め、血管を内側からメンテナンスできる素晴らしい効果が備わっています。

まず血圧への効果について見てみましょう。運動をすると全身の血流が良くなりますが、実はこのとき、血管の内側では「一酸化窒素(NO)」という物質が放出されています。この物質には血管を広げ、しなやかにする働きがあります。日常的に運動を続けることで血管が広がりやすくなり、結果として血圧が自然に下がっていくのです。

また、運動は交感神経の緊張をほぐし、自律神経のバランスを整えるため、ストレス性の高血圧を抑える効果も期待できます。