「社長」ではなく「こんちゃん」
【近藤】入社してから、私はずっとヤンチャでやってきた。若い頃から、言いたいことを言い続けて、気がつけば私は社長になった。ポジションが上がっていくと、言う側から言われる側になっていきました。
怖いのは、現場から意見が出なくなることであり、社員の挑戦心を会社が抑えてしまうことです。現場の声をしっかり聞いて、コミュニケーションを円滑にできる会社にしていきたい。
――具体的にはどうしていくのですか?
【近藤】小さなことですが、社長に就いてから、社内で人を「さん」付けで呼ぶように変えました。社長とか部長とか、役職で呼ぶのをやめた。社内で私は「こんちゃん」とか「ねえさん」と呼ばれていて、これは継続してもらう。私は気に入っている。
また、4月からは経営会議に、支社長や工場長にもオンラインで参加してもらっている。経営から各現場に伝えるスピードを早くし、現場からの意見も受け入れている。支社長や工場長は、アサヒグループの次代を担う人たちでもあります。
――少子化と人口減少が続き、清涼飲料の国内市場は縮小していきます。
【近藤】アサヒ飲料には「三ツ矢サイダー」、「カルピス」、「ウィルキンソン」と、発売から100年を超える歴史を持つ「100年ブランド」が3つあります。3つ揃う会社は、ほかにはない。ブランドをブラッシュアップしながら、お客様に新しい価値を提供できる会社を目指します。社会課題を解決し、いつも社会に寄り添いながら。
ナフサ不足の時代に
――イラン情勢の悪化が長期化すると、原油もナフサも不足していくと懸念されます。それだけに、使用済みペットボトルを原料化して新たなペットボトルに再生する「ボトルtoボトル(BtoB)」が注目されます。近藤さんはBtoBも担当されていた。まさに社会課題に当たります。
【近藤】使用したペットボトルは、そのまま捨てればゴミですが、リサイクルすれば資源になります。つまりは循環型経済が成立する。ナフサ不足への対応だけではなく、海洋プラスチックなどは、いまや大きな社会問題です。化石燃料の使用削減にもつながります。
BtoBで当社は、2025年にようやく業界平均に達してきた段階。ただし、ケミカルリサイクルの技術は先行しています。
ケミカルリサイクルとメカニカルリサイクル、さらに石油由来のヴァージンペットとをバランスよく展開していく。BtoBは業界全体で取り組むテーマなのです。

