広がる路線再編 止まらぬ人手不足の現実
首都圏では都バス以外にも路線の休止や廃止が進んでいるが、民間各社の説明や対応は一様ではない。
東急バスは「現時点で人材不足を理由とした減便等は行っていない」としつつ、都立34系統(東京医療センター~下馬一丁目【循環】、三宿~下馬一丁目~東京医療センター)・35系統(東京医療センター~下馬一丁目~三宿)や新横81系統(横浜・新羽駅~北新横浜駅~新横浜駅)を26年3月31日に運行終了にした。都立34・35系統は、渋谷駅ともつながっていた黄金路線だった。その終了については「かつては渋谷駅から多摩川駅(方面)を結ぶ長大路線でしたが、長大であるがゆえに定時運行が困難であったこともあり、渋谷駅乗り入れ時点からお客様のご利用が少なかった系統でした」と説明する。
東武バスは足立区や埼玉・草加周辺で7系統を整理した。極端に本数が少なく、乗客がいないケースもあり、別路線で代替可能だったという。「地域衰退ではなく、日暮里・舎人ライナー開業などによる健全な交通再編」と位置づける。
小田急バスも仙川駅~三鷹台駅といった生活路線や、長距離路線、コミュニティーバスの一部を廃止した。背景には、24年の労働時間規制強化により必要な乗務員が増えたことや、採用を強化したものの人手不足が続いていることがあり、利用状況を踏まえて再編を進めたという。
関東バスの武蔵野営業所では乗務員不足により一部系統において減便・運休を行ってきた。昨年運休に入った吉54(吉祥寺駅~武蔵野市役所~柳沢駅方面)、鷹25(三鷹駅~電通裏)はそのまま運休を続けるが、「会社全体として4月から減便した路線はなく、むしろ減便していた路線を一部復便しています」(関東バス)という。少子高齢化で労働人口が減少する中、退職者を補えない状況が続く一方、採用強化により復便に向けた人員は徐々に確保されつつあるという。
業界団体の日本バス協会の担当者は現状をこう語る。
「給料に加えて、若い世代は普通免許すら取らない。普通免許がなければ、その先の大型2種免許も取れません。なり手自体が根本から枯渇しているのです。この先も運転手のなり手が少なくなれば、バスがあっても動かせません。さらなる路線の縮小や廃止をせざるを得ない状況になると思います」
(AERA編集部・上田耕司)


