「資本金3000万円」へ引き上げの衝撃

しかし、厳格化の内容を見ると、従来なら在留資格の取得をすんなり許可されてきた人々まで不許可になる可能性が大きくなった。資本金は500万円から3000万円に引き上げられ、常勤職員1人以上の雇用、3年以上の実務経験や修士号以上の学位、中小企業診断士などによる事業計画書の確認、日本語能力(N2=中上級レベル)などが求められることになった。

メディアの報道の中には「3000万円なんてとても用意できない。もうお店をやっていけない」と悲観する声のみをクローズアップしているものがあるが、経過措置として2028年10月16日までは現行基準での更新が可能だ。そのため、今すぐに大金を用意しなければならないというのは誤解で、そういうわけではない。当初の資本金500万円もあるため、実際には2500万円の増資となる。

しかし、前出の行政書士は「問題は、それ以外の点は2028年を待たずにクリアしなければならないというところにある」という。

小規模飲食店が直面する「厳しい現実」

たとえば、コロナ禍の中国を逃れて来日後、夫婦2人で小さな中華料理店を開き、子どもは日本の学校にようやく馴染み、カツカツで生活していたのに、いきなり従業員の雇用が必須になったり、高度な日本語力を身につけたりしなければならないことは現実問題として非常にハードルが高い。だが、これらの要件を解決しなければ、在留資格の更新が難しくなる。

また、昨年の改正前は認められてきたオーナーシェフも認められなくなった。そうしたことから、「小規模の飲食店にとっては相当厳しいのが現状」(同前)だ。

レストランのキッチン
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小規模店の場合、「経営・管理」の在留資格は1年ごとの更新が多く、毎年更新し続けなければならないという「苦しさ」もある。

もし留学生として来日した場合、「留学」の在留資格で過ごしたあと、日本企業などに就職し、「技術・人文知識・国際業務」(以下、技人国)という会社員が多く取得する在留資格に切り替えるケースが多い。日本で10年以上、普通に働けば、「永住者」も認められる(高度専門職などの場合はもっと短い期間で可能)。