在留資格「経営・管理」とは
まっとうな仕事をしてきた人々とは、「経営・管理」を取得し、その要件に合った仕事(飲食店経営、貿易などの実業)をきちんと行い、税金を支払い、まじめに暮らしてきた人々だ。
法務省の統計によると、2024年末に「経営・管理」を取得した外国人は4万1615人で、この半数以上の2万1740人が中国人だった(他に比較的多いのはネパール、パキスタン、韓国だが、中国の多さは群を抜いている)。
そもそも、「経営・管理」は2015年、日本経済を活性化する目的で導入された在留資格だ。従来は資本金500万円以上、または常勤職員2人以上のいずれかの要件をクリアすれば、最長5年までの在留資格が認められ、家族も帯同でき、日本で事業を行うことができるというものだった〔在留期間は3カ月(または4カ月)、1年、3年、5年がある〕。
2015年の同資格の取得者は1万8109人だったので、この9年間で2倍以上に増加した。
「厳格化」に舵を切らせた背景
増加の背景にあると思われるのは、全体の半数以上を占める中国人の母国での事情だ。2020年から始まった新型コロナウイルスの流行や不動産不況により、中国国内の人々の間で一気に不安感が高まった。リスクを避け、財産を守るために国外に脱出しようとする人が急増、その一部が日本を目指した。いわゆる「潤(ルン)」という現象だ。
移住するための在留資格は日本に存在しないため、彼らは「経営・管理」に目をつけた。諸外国(韓国の場合、日本円で約3200万円、シンガポールは同約1100万円)に比べて格段に安い費用で日本の在留資格を正式に得られるという点に魅力を感じ、一部の人は仲介業者(ブローカー)を介して申請、取得した。
その中には、飲食店のノウハウを一から学んで、まじめに生きようとする人がいる半面、すべて嘘で固めた架空の内容で書類を作成し、ペーパーカンパニーを作ることで日本移住を成功させた人もいた。民泊事業などでは、同一住所のオフィスに複数の人が登記したケースも発覚した。後者が問題視されたことが、日本政府が厳格化に舵を切った要因ともいわれている。

