社会インフラとして地域活性化に貢献

神田は2023年(令和5年)2月、創業50周年の節目を迎え、将来の目指すべき方向性を、「社会インフラとして地域活性化に貢献する」と定めた。

中期経営計画「Hiday 500 ローリングプラン2024」を策定、2025年(令和7年)4月には同「Hiday Challenge」を策定したが、表紙に「社会インフラとして地域活性化に貢献する」と明記した。

ハイデイ日高は2021年(令和3年)、2022年(令和4年)のコロナ禍で、合計63億円の赤字を計上したが、政府からの営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金と内部留保が厚かったおかげで、ことなきを得た。この2年間で、駅前一等地でもアルコールビジネスにリスクがあることを学んだ。

今後も「駅前一等地戦略」に変わりはないが、コロナ禍を機に、ロードサイドに出店(ロードサイド戦略)したら、「餃子の王将」(株式会社王将フードサービス)や「幸楽苑」(株式会社幸楽苑)などと競合する局面も増えてきた。

ロードサイド店は、ドリンクバーを開設した駐車場付きの店舗は好調で、60店舗展開する勢いだ。ビール・酒類メニューの動きが心配されたが、車の運転手は飲まないので、普通に売れているという。

「駅前が明るくなった」「夜も安心」という声

神田がコロナ禍でもう1つ仕掛けたのが「ポツンと一軒家戦略」である。

神田正『日高屋 10人中6人に美味しいといわれたい』(日本実業出版社)
神田正『日高屋 10人中6人に美味しいといわれたい』(日本実業出版社)

これまで乗降客2万人の小さな駅には出店しなかったが、地元の強い要望で出店したら、これが「日高屋ができてよかった!」と大変な人気だという。

「出店して夜遅くまで営業していると、『夜も明かりが点いていて治安がよくなった』と喜ばれます。また、日高屋は“ちょい飲み”が売りです。居酒屋づかいができるので、仲間が集まりやすいのも利点です。

ロードサイド出店もそうですが、日高屋を1店舗出すとアルバイト・パートさんだけでも30人ほど採用します。だから雇用促進面でも社会に貢献できるのです。

『ポツンと一軒屋』の店では、昼は近所の方たちが集まり、夜はビジネスマンが居酒屋代わりに使います。今までは駅前に飲むところがなかったけど、日高屋ができてありがたい、駅前が明るくなった、夜も安心できるようになった、という声もよく聞きます。

『うちの町にもきてよ』と声を掛けて頂くことも増えました」(神田)

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