五月病にならない人がやっていること
こんにちは。産業医の武神です。
毎年ゴールデンウィーク(以下GW)が明けてからの産業医面談で聞く言葉があります。「なんとなくやる気が出ない」「朝起きられない」「会社がつらい」……。こういった声を聞きながら、私はいつも同じことを考えます。「この人は、どうしてこうなっちゃったんだろう」です。
五月病は正式な医学的病名ではありません。多くの場合、適応障害の一歩か二歩手前の症状/状態だと感じます。同じ職場、同じ仕事、同じ人間関係の中で過ごしていても、五月病になる人とならない人がいます。私は経験上、この両者には明確に、思考と行動に違いがあると感じます。
今月は五月病にならないために、五月病にならない人たちがやっている3つのことについて共有させていただきます。
海の日までに「有給」をとる
五月病にならない人たちがやっていることの1つ目、そして最も大切なのは、GW明けから海の日までの間に、有給休暇を取ることです。
毎年この時期、産業医面談に来た社員たちに私は、「6月か7月の有給を1日でもいいので計画して、GW明けの仕事始め当日に申請してください」と伝えています。
実際に5月から7月の間に調子を崩しかけた経験のある人ほど、この有給休暇を1、2日取ってみたら、本当に楽になったと言ってくれています。
オランダの研究者J. Nawijnらが休暇と幸福感の関係を調べた論文(Nawijn et al., Appl Res Qual Life, 2010)では、こう示されています。
・休暇を計画している人々は、1カ月以上前から非休暇者に比べて幸福感が高い
・1年に1回長い休暇を取るより、数回に分けて取ったほうが年間幸福度は上がる可能性がある
・休暇日数と幸福度に相関性はない(短くても効果がある)
つまり、1、2週間等の大きな休暇や旅行を計画する必要は必ずしもなく、金曜日か月曜日に有給休暇を1日取って、2泊3日の長めの週末を作るだけでも、幸福感は十分に得られる可能性が高いのです。大切なのは疲れてから休むのではなく、疲れる前に休みを決めておくことなのでしょう。休みも期間も必ずしも長くなくていいのです。
ぜひ、今すぐカレンダーを見て、有給候補日を決めてください。そして、GWが開けてからなるべく早く、申請してください。その日に何をするかは後で決めればいいことです。先に有給休暇日を確保してください。
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