仕事のデキる人はどこが違うのか。人材教育コンサルタントの橋本拓也さんは「部下やチームメンバーに対する『耳の痛いことの伝え方』が違う。大切なのは『改善しない=本人が悪い』と決めつけないことだ」という――。

※本稿は、橋本拓也『部下をもったらいちばん最初に読む伝え方の本』(アチーブメント出版)の一部を再編集したものです。

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「耳の痛いこと」をどう伝えるか

良いところを伝えるポジティブ・フィードバックに対して、耳の痛いことを伝えるときに行うのが「ギャップ・フィードバック」です。

ポジティブの反対はネガティブと思うかもしれませんが、メンバーが成長するために理想と現実のギャップを埋める情報提供をする意味でギャップ・フィードバックと呼ばれています。

ギャップ・フィードバックが効果を発揮するのは大前提があります。それはマネジャー自身がメンバーの上質世界(※)に入っているかどうかです。

ギャップ・フィードバックは、「伝える」ではなく「伝わる」ことが重要です。「伝わる」とは、フィードバックされた本人が納得して改善行動を起こすことです。

フィードバック内容が的を射ていたとしても人間関係がなければ伝わりません。上質世界に入っている人から伝えられているかどうかが大きいのです。どれだけ伝え方を勉強しても、嫌いな人の言うことは受け取りたくないのが人間です。

ですから、なおさら私は、日頃からメンバーと良好な人間関係を築くことにこだわっています。なぜならば、これができていないと、メンバーに本当に必要なことをフィードバックできない=メンバーの成長に貢献できないマネジャーになってしまうからです。

※上質世界:「生存」「愛・所属」「力」「自由」「楽しみ」という5つの基本的欲求を1つ以上満たす人・モノ・状況・価値観などのこと

日頃から「言行一致しているか」襟を正す

そして、もう1つ大事なのは「伝える内容」をマネジャー自身が実践していることです。例えば普段から人のネガティブなことを陰で言っているマネジャーが「○○さん、他部署の批判をしていると聞いたんだけど、陰口は良くないと思います」と言っても、何の説得力もありません。

マネジャーはセルフ・コントロールとして、日頃から言行一致しているか襟を正しておく必要があるのです。

とは言っても、マネジャーも完璧な人間ではありません。私自身もそうです。上質世界に入っていないメンバーがいたり、言行一致となっていない面もあるでしょう。メンバーからフィードバックをもらうときもあります。それは誠実に受け止める心を持ちながら、メンバーの成長にとって伝えるべきことは、次の5つのステップを用いてギャップ・フィードバックをするようにしています。