「お兄ちゃんとは違うのがステキです」
【上野】3人いれば、子どもにもそれぞれの個性というのがあるでしょう?
【アグネス】もちろんです。子どもはみんな個性的で、感受性もそれぞれだと強く認識していたおかげで、その子に適したアプローチができたと思います。親の私が言うのも変な話なんですけど、長男がすごくおとなしい子でした。赤ちゃんの時からとても育てやすかったんですね。ぐずったりしないし、右のおっぱい飲んだら、次は左のおっぱいを飲むって教えてもいないのにできちゃう。
【上野】生まれ持っての律儀な性格なんですね(笑)。
【アグネス】ところが次男はそうじゃない。右のおっぱいをちょっと飲んだら、左のおっぱい、二口くらい飲んだらまた右のおっぱい。キョロキョロ周りを見渡して、興味のあることがあるとピタッとおっぱいを飲まなくなってしまったりして大変だったんです。
次男は学校へ行くようになったら、先生から「なんでお兄ちゃんみたいにできないの?」と言われて、「あっいけない。先生が私の息子を比べている!」とわかったことで次男の自己肯定感が下がったらいけないと思ったのです。
私は次男に「君がお兄ちゃんみたいになる必要はない。一緒だったらママは残念に思います。君がお兄ちゃんとまったく一緒なら、もう一人子どもを産むことは必要ないでしょう。君はお兄ちゃんとは違うのがステキです。その方が大好きだよ」って。
子どもが生まれ持った性格を大事にする
【上野】うまいこと言いますね。感心しました。
【アグネス】本当にそれぞれに個性があるから、育てていて面白かったです。多少、悪戯でも落ち着きがなくても間違ったことをしたら正せばいいだけで、個性を変える必要はない。生まれ持っての性格を大事にしたいです。個性を無視して、みんな同じように教育すればいいというのは理想的な発想だと私は思わないです。
【上野】自分の子どもの頃を参考に教育する親もいるようですが、それこそ乱暴な教育だということになりますね。
【アグネス】親と子どもは違う個性の人間ですから。それから親が育った時とは時代も違うし、家庭環境も違う。それを無視して親が自分の成功体験を押しつけても、子どもは自分のことを理解してくれないとやる気がなくなってしまったり、グレてしまうこともあるでしょう。



