「20代なのにすごい!」「さすが○○大学出身」はNG

ここまで、「ほめるときは個別に、すれ違いざまなどにサラッと」ほめることをおすすめしました。それとは別に、日誌などでフィードバックをしなければならないときは、どう返したらよいのかをお話しします。

多くの上司世代が「まだ若いのにこんなことまでできてすごいね」といったほめ方をしがちですが、これは若手世代にとってモヤッとする言葉。

同様に、「20代でここまでできるのはすごい」「若いのにしっかりしている」「自分が若い頃はここまでできなかった」「さすが○○大学出身だね!」「そこまで考えてるんだね」もNGです。

いずれも相手を「若い人」などのマクロな視点で見ており、その人自身にフォーカスしたほめ方ではないからです。われわれの調査によると、Z世代は自分自身=個に注目してほしい人が多いことがわかっています。「○○さんのこういう〈行動〉がいいよね」と、個に目を向けること、また周りやその人の属性を視点から一切排除して、その人の「プロセス」と「現在」だけを見ることがポイントです。

また、「すごい」は何がすごいのか抽象的すぎて評価が伝わりません。

では、若手世代に響くのはどのようなほめ方なのでしょうか。下に、NG例とOK例を挙げてみます。

若者に響く「うまいほめ方」

【NG例】
「良かったと思います」「頑張っていました」
→抽象的過ぎる。何が良かったのか、何を頑張っていたのが不明瞭

「ありがとう、君のおかげだよ」
→抽象的過ぎる

「違うと思ったけど、努力を否定したくないので…」
「新人としては十分。細かいところは気にしないで」
→忖度、遠慮が入りまどろっこしい

「入社1年目とは思えない! もうプロですね!」
→「入社1年目の新人」という大きなくくり(マクロな視点)で捉え、個を見ていない。上から目線な印象を与えることも

【OK例】
「○○さんの提案は、実際のアンケート結果をもとにターゲット層を絞っていて、説得力がありました」
→具体的根拠がある。◎行動・成果・構成などに触れており、評価の理由が明確

「○○さんがいつも笑顔で接してくれたおかげで、お客様の警戒心がほぐれたようです」
「○○の時、あなたが~~の提案をいくつもしてくれたおかげで突破口が見えて、とても助かりました」
→具体的根拠がある

「アイデアの独自性があり、ターゲット層への訴求力も感じました。ただ、実現に向けた課題整理が必要です。課題整理をしていくには~」
→フラットな視点
→新人扱いせず、目的や実用性で評価
→ほめるだけでなく改善点も伝える

このように、彼らの取った行動と成果(事実)と、それによってどう受け止めたか(感想)を、そのときの光景が浮かび上がるように具体的に伝えていくほうが、謙遜しがちな彼らに刺さります。さらに、その人自身の成長が伝わる文言があるとベターです。

繰り返しになりますが、その人の同期や「若い人全体」といった他人・属性との比較をするのではなく、その人個人の「過去」と「現在」を比較し、その人が以前に比べてどれだけ成長したかを言葉で表すと「ちゃんと見てくれているんだ」と実感でき、モチベーションにつながります。