タワーマンション建設分布と出生率の上昇地域

①湾岸エリアにおける活発なタワーマンション建設によって3LDK前後のファミリー向け物件が大量に供給され、職住近接をかなえる新たな家族型の居住エリアが誕生したこと。タワーマンションの建設分布を図表4参照に掲げたが、出生率の上昇地域と重なり合っていることが分かる。

【図表】林立する東京の高層ビル・高層マンション
(注)一般にタワーマンションは20階建て以上とされるがここではさらに高いタワーマンションを対象とした。
(資料)東京都統計年鑑

②人手不足を見越した企業などの取り組みにより子育てしながらキャリアを継続できる環境が整ってきて「夫婦ともに高収入の専門職や管理職として働く“パワーカップル”が増加」していること(にゃんこそば『データでわかる東京格差』の紹介記事)

③豊かな財政力を背景に都心部などにおいて東京都や各区によって、高い教育費・住宅費や待機児童、安全なお産などの課題に対応するため、所得制限なしの018サポート(18歳まで月額5000円支給)、保育料の無料化、出産・育児用品の配布(赤ちゃんファースト)、国に先駆けた無痛分娩の費用助成など、出産・子育て家庭に対する包括的な経済的・生活的支援が強化されていること

このように見てくると、出生率の地域構造の変貌は東京においてかなり著しいと言えよう。都心部も単に通勤場所、あるいは独身者が一時期すごす場所という性格から子を産み育てる場所としての性格をもつ複合地域へ変化しつつあるようだ。従って、東京が日本の少子化を反転させる尖兵の役割を果たしつつあるとまでは言えないにせよ、東京で新しい脱少子化のパターンが生まれ、東京都が9年ぶりに出生数が増加に転じたのも偶然ではないと感じられる。

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