日本の独自技術への信頼と意欲を示す
――日本の「ヘリカル型」研究の成果を生かす
株式会社Helical Fusion(ヘリカルフュージョン)は、核融合炉の実用化を目指すスタートアップ企業です。特徴は、トカマク型ではなく、らせん状の磁場でプラズマを閉じ込める「ヘリカル型」の方式を採用していることです。この方式は、プラズマ内部に電流を流さずにすむため、長時間安定して運転できる可能性が高いと期待されています。
この会社には、国立研究機関や大学で核融合を長年研究してきた専門家たちが集まり、日本が世界に誇るヘリカル型の研究成果をもとに、商用炉の実現を目指しています。トカマク型が主流の中で、あえてヘリカル型に挑む姿勢は、日本の独自技術への信頼と意欲の表れです。
資金面でも順調で、2025年までに複数の出資を受け、累計で数十億円にのぼる開発資金を確保しています。高温超電導コイルや燃料供給装置など、基盤技術の整備が進められています。
目標は2034年、世界初の定常運転可能な核融合炉(商用炉)を完成させることです。
国内外の研究者や企業、投資家からも注目
――大阪大学発のレーザー核融合企業
大阪大学から生まれた日本初のレーザー核融合企業の株式会社EX‐Fusion(エクスフュージョン)は、「慣性閉じ込め方式」で核融合の実用化を目指しています。大阪大学でレーザーやプラズマの研究に取り組んでいた研究者たちによって設立されました。
現在は、2030年代の実証発電を目指し、レーザー装置の高性能化やプラズマ制御、反応効率の向上に取り組んでいます。大阪大学との共同研究も継続されており、国内外の研究者や企業、投資家からの注目も集まっています。
レーザー核融合は、設備を小型化しやすく、将来的にはモジュール型の発電システムにも応用可能です。磁場型とは異なるアプローチをとることで、核融合の選択肢と可能性を大きく広げる役割を果たしています。
これら以外にも、日本では大学発ベンチャーや別のアプローチの企業が増えています。たとえば、中性子をあまり出さないプロトン・ボロン反応を目指す企業など、核融合技術の多様なアプローチが生まれています。
これらの動きは、日本が核融合技術の産業化で世界の競争に参加するための重要なステップであり、ITERなどの国際プロジェクトだけではなく、民間主導の研究開発が国内でも活発化しつつあることを示しています。


