「タバコ離れ」でもJT好調の理由
2位のサントリー食品インターナショナルは平均年収が前年から46.9万円増加して、1161.1万円。アサヒグループホールディングスの平均年収が伸び悩む中、その差を前年の100万円超から半分ほど圧縮した。
3位の味の素は前年から36.0万円減少し、1036.7万円。2025年3月期は、原材料コストなどの影響で冷凍食品事業が減益となったものの、その他の事業が絶好調で全体では前期比7.9%の増益となっている。
世間的な「逆風」が強い商材を扱いながら、安定して平均年収を増加させているのが7位の日本たばこ産業(JT)だ。
消費者の健康志向が高まり、近年は著しく「たばこ離れ」が進む。日本たばこ協会によると、紙巻きたばこの販売数量は3344億本からこの30年で828億本(2024年)へと激減。2020年から集計している加熱式たばこはここまで2ケタ成長が続くも、2024年実績は659億本と紙巻きたばこの減少を補うにはほど遠い。
そんな中でJTの2025年度決算は前年比13.4%増となる3兆4677億円、営業利益に至っては同175.9%増の8670億円と絶好調だ。ポイントは「加熱式シフト」への対応とグローバルな事業展開にある。
加熱式デバイスでは「Ploomブランド」に注力し、同市場でのシェアがこの4年で4倍超に拡大を果たした。「万年3位」の座を返上し、て1位・iQOSに次ぐ2位の座を確立しつつある。
また、同社のたばこ製品売り上げを見ると最も金額が多いのはアジア・西欧を除いた「EMA」と呼ぶ地域だ。2025年度は同地域だけで1兆5846億円(前年比23.1%アップ)を稼いだ。対してアジアは8642億円、西欧は7356億円とバランスよく稼げている。
この他「テーブルマーク」ブランドを中心とした加工食品事業だけでも86億円の営業利益を確保している。こうした盤石のポートフォリオもあって、平均年収の伸びは24.6万円と控えめながら951.6万円で前年と同じ7位の座を守った。
「ミネラル麦茶」の躍進
前年4位だった明治ホールディングスは、平均年収が127.0万円も減少して909.8万円となり、8位へと順位を落とした。100万円以上の年収減は調査対象となった企業の中で「ワースト」だが、有価証券報告書によると明治からコーポレート機能を統合したことで従業員数が増えており、その影響とみられる。
明治に続いて、平均年収の減少幅が「ワースト2位」となったのはヤクルト本社だった。68.3万円の減少で、平均年収は838.4万円。「ヤクルト1000」の好調が続いていたが、近年は各社から競合商品などが出たことで乳製品や清涼飲料の伸びが鈍化している。
減少幅のワースト3位はベースフードで、前年比63.5万円の減少となり平均年収は852.8万円。前回はトップ10圏内にランクイン(9位)していたが、今回は16位へとランクを落とした。人間が1日に必要とする栄養素の3分の1をとれることから「完全栄養食」をうたう「BASE FOOD」を手掛ける。
反対に、前年から最も平均年収を伸ばしたのは、92位のウェルディッシュ。平均年収は537.1万円と業界平均を下回ったものの、増加幅は245.4万円とほぼ「倍増」を果たした。健康食品を中心に手掛ける企業で、2月には学校施設の給食などを展開するACA Nextの子会社化を発表しており、旺盛に業容を拡大している。

