不祥事事案からいかに学ぶか
組織不祥事に対する姿勢としては、個人や組織を批判することではなく不祥事事案からいかに学ぶかということである。
はじめに、自らの組織のリスク特性の把握が重要と考える。
製造業や飲食業においても不祥事が発生している。例えば、自動車業界の検査不正や、食品業界における産地偽装や賞味期限の改ざんなどがあるが、今回の生保事例も含めて言えることは、自社・自業界の業界特性や扱う商品について「どのようなリスクや不祥事が発生しやすいか」「不祥事につながらないためにはどうすればよいか」を日ごろから認識する必要があるという点である。
また、今回は保険会社による資料持ち出し事案であるが、適切な情報管理は近年すべての業界において特に重要と考える。
情報管理を見直すタイミング
現在、あらゆる企業で「テレワーク」や「副業」さらには「業務委託」が浸透している。一つの業務について、多様な働き方や組織とのかかわり方があるため、物理的、心理的に組織と個人の間に「様々な距離」と「情報の非対称性」が発生する。特に業務委託や副業など働き方によって、役割や責任の所在も不明確になりがちである。
業務がうまくいっている普段は気にしなくてよい。なぜなら問題が顕在化しないからだ。しかし、ちょっとしたトラブルであったり、慣れによる倫理観の麻痺によって、現場担当者の「悪意なき倫理的問題行為」が発生しうる。現場の情報管理やトラブル発生時の対応などについて想定されているか、また現場任せにせず本部がグリップしているかという点を意識すべきだ。
今回の不祥事は、新しい働き方を導入するすべての企業で起こり得る構造的課題ともいえる。組織は、経営関与の有無を言い訳にするのではなく、従業員の「悪意のない不祥事」や「突出行為」など、普段から「不祥事は発生する(起こり得る)ものである」という前提に立った組織管理・取り組みが不可欠であると考える。


