出向者ならではの「取引コスト」

実際、大手生命保険会社各社(注4)が発表したニュースリリースによれば、1.5線(現場部門)や2線(コンプライアンス部門)は、出向者による不適切な情報提供リスクに対する想像力の欠如(日本生命)や、出向者の役割や保険代理店との情報授受に関するルールの明確化が不十分であり、出向者への的確な指導や明確な指示が十分に行われていなかったこと(第一生命)などが原因分析の中で述べられている。

これは、組織の設計不足に他ならない。出向者が出向先において行う業務範囲の認識や指揮命令系統が明確であったかを振り返る必要がある。

特に出向者は、自らの組織からは離れて業務を行っており、判断に迷ったときに出向先に相談すべきか、出向元の組織に相談すべきか悩ましい場合がある。出向元の組織との「情報の非対称性」が発生し、どのように実務を扱うべきか判断に迷う局面が存在する。