「そお~~~~~っと、置いてね」

オノマトペは、「行動や動作イメージと結びつきやすい」という特徴があります。

動作や状態をことばで説明するのはなかなか難しいものですが、オノマトペを使うと簡単に、視覚的イメージや筋肉や運動に関する情報を伝えることができます。

【図版】オノマトペを上手に使う
出典=『子どものことばが育つコツ120』(サンマーク出版)

たとえば、ご飯茶わんを食卓に置いてもらうとき、「壊れないように、ゆっくり、慎重に、静かに置いてね」と言うのと、「そお~~~~~っと、置いてね」では、後者のほうがどう動けばいいかがよく伝わります。

「だるま落とし」のコツもことばで説明すると、説明が長くなって、難しくなってしまい、結局どうしたらいいか伝わらない可能性が高いです。

でも、「ジロジロ、ピタッ、バーーン!」とオノマトペを使うと、「よく見て、トンカチを床につけて、勢いよく打つ」ことがすっと伝わります。動詞が理解できるくらいの年齢になるまでは、このようにオノマトペを用いて説明するのが有効です。

難しい説明ではわからなかっただるま落としのコツが、オノマトペを使ったらよくわかって、うまくできた。これはまさに「ことばで伝えたらうまくいった」経験です。

オノマトペを上手に使って、子どもに「ことばを使うと、いろいろなことが伝えられる」「そうすると、うまくいく」という体験をさせてあげてください。

犬を見て「にゃ~」と子供が言ったら

あなたが、出汁巻き卵づくりに挑戦して、それを見た家族に「これが出汁巻き卵? ぐちゃぐちゃじゃん。下手だなあ」と言われたとします。あなたはきっと嫌な気持ちになるでしょうし、ここで「よし、できるまでやってやる!」となる人は稀でしょう。

原哲也『子どものことばが育つコツ120』(サンマーク出版)
原哲也『子どものことばが育つコツ120』(サンマーク出版)

このように、人の「意欲」を失わせてしまうコミュニケーションはいただけません。めざすのは「意欲を高める」コミュニケーションです。

子どもがことばを覚えるときも、同じです。子どもの「もっと伝えよう、話そう」という意欲を高めるには、「子どものことばを注意深く聞く」「共感と理解に努める」「子どもに合った形で正しいことばで応答する」ことが大事です。

「にゃ〜」と言ったとき、「違う」と返されたら、子どもは「否定」されたと思って、しょんぼりしてしまうかもしれません。

【図版】発語を「否定」しない
出典=『子どものことばが育つコツ120』(サンマーク出版)

一方、「よく見つけたね」と言われると、「見つけて伝えたことを褒めてもらえてうれしい」と思い、好意的に、興味をもって、あとに続く相手のことばを聞きます。その中で、「あれ? 私は〈にゃ〜〉と言ったけどパパは〈ワンワン〉って言った。あれは〈ワンワン〉なんだ」と自分で気がつきます。

伝えようとした「気持ち」を大切に。それは、ことばを覚える「意欲」を支えます。

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