学校給食には作業効率が求められる
学校給食は、1校あたり数百食を短時間で一気に作るため、作業効率が強く求められます。じゃがいもであれば、品種は同一で大きく形がよく、同じ大きさのものを納入してもらえれば、手でも機械でも皮をむきやすく、均一な大きさに加工でき、火の通りも揃って調理もスムーズです。小さかったりでこぼこしたり、では困るのです。
じゃがいもの芽の部分にはソラニン類というかなり強い毒性物質が含まれるため、芽とりは入念に行わなければなりません。中が空洞や黒くなる生理障害が起きている、というのも、調理負担につながります。
品目それぞれに、求められる規格や性質が異なります。そのため、学校給食用の食材を納入する業者は通常、学校での大量調理に向いた扱いやすい野菜を市場や生産者などから調達するべく、奮闘しています。
一方、オーガニック農家の多くは栽培規模が小さいのが普通。また、気象条件や病害虫の流行等により、農作物の出来にむらが出やすいのです。そのため、オーガニックの野菜を大量に集めようとすると、多数の農家が出荷したものをかき集めることになり、大きさも品質もバラバラになってしまいます。
品川区の学校給食は1日2万食以上に上り、農家はほとんどなく、全量を他産地からの調達に頼ることになります。他自治体で、地元の農家と協力してオーガニックに切り替えたという成功例はありますが、規模がまったく異なり、オーガニックを取り入れる難易度は格段に高くなります。
学校給食関係者の間では当初から危ぶまれていましたが、試行結果を見る限りやはり難しく、結局は、導入がじゃがいも、にんじんに留まる状況です。
「オール有機野菜」にはトリックがあった
実は、品川区は「オール有機野菜」と銘打っていましたが、トリックがあります。区の資料をよく読むと、すべて「有機農産物等を活用」となっています。“等”がくせもの。実際には、オーガニック、有機野菜だけでなく、特別栽培農産物も含んでいます。
有機農産物は、第三者認証機関が化学合成農薬や化学肥料などを使わないなどのルールを満たして有機栽培をしていると認証した農家の生産物を指します。店頭で有機JASマークを付けて売られている野菜や米などがこれです。

