「より安全」の科学的根拠はない

区長は25年2月の予算案のプレス発表でオーガニック導入を説明した際、「より安全安心な学校給食を実現する」と説明しました。では、「より安全」とした根拠はなにか? これも質問しましたが、区からの回答はありません。当然でしょう。そもそも、オーガニックのほうがより安全、という科学的根拠はありません。

オーガニックの農産物、有機農産物は、化学合成農薬や化学肥料を原則として使わないなど一定の栽培ルールを守って作ったものであり、農産物としての品質は保証されていません。使用を認められている農薬も、銅剤や微生物から抽出した毒性物質など約40種類あり、無農薬とは限りません。

化学合成農薬などを用いる「慣行農法」の農産物に比べ、化学合成農薬の含有量が少ないことは国内外で報告されています。一方で、化学合成農薬はリスク評価が行われたうえで使われており、1日の摂取量が許容一日摂取量(ADI)を超えなければリスクの懸念はないとされています。国が摂取量調査を毎年していますが、ほとんどの農薬の1日の摂取量はADIの1%すらも大きく下回っています。

国産小麦をオーガニック栽培するリスク

慣行栽培され店頭に並ぶ多くの農産物で、実際には農薬が検出されない例が多いこともわかっています。現在の農薬は、光や空気などにより分解されやすいものが多いのです。慣行の農産物も安全で、農薬摂取量自体が非常に少ないのですから、有機でさらに摂取量を下げる健康への意味は不明です。

また、植物は、栽培中にかびが増殖してかび毒を作ることがあります。化学合成農薬でかびを防除できない有機農産物におけるかび毒のリスクは不明です。農作物によってはかび病に侵されやすい品目があり、国産小麦については、かび毒デオキシニバレノールを防ぐ観点から、オーガニック栽培をすべきでない、という意見もあります。

こうしたことから、日本の農水省も諸外国の政府機関も、「オーガニックだからより安全」とは説明していません。

ちなみに、栄養面からも、慣行農産物と差異がない、という研究結果が目立ちます。