「植物工場」の大半は採算が取れない
「フードテック」の代表例といえる「植物工場」は、初期投資もランニングコスト(特にエネルギーコスト)も高い。そのため、採算ベースに乗っているものはベビーリーフ(葉丈10~15cm程度で収穫した幼葉の総称)などのかなり少ない事例に限られている。
植物工場で生産された野菜が果たして体にいいのかという問題もある。通常の野菜は土壌から微量栄養素を吸い上げて成長するが、植物工場ではそうした微量栄養素を得られないため、育った野菜の栄養面は期待できないという指摘だ。
この問題はさておき、現状で採算ベースに乗っていない「植物工場」の推進で、食料自給率100%が実現できるとは到底思えない。
ダボス会議で主張「水田稲作はメタンの発生源」
フードテック推進派が掲げている主たる論理の1つは次のようなものである。
「今の農業・食料産業は温室効果ガスの最大の排出源(全体の31%)になっているから、農業の生産方法を遺伝子操作技術なども駆使した『代替的食料生産』に置き換えていく必要がある」
「温室効果ガス排出の多さから各たんぱく質を評価すると、最も多い牛に比べて豚は約3分の1、鶏は約5分の1、昆虫食では鶏よりもさらに少量だ」との解説もある。畜産をやめて昆虫を食べるほうが環境にいいということだ。
2024年の初めに開催された「世界経済フォーラムの年次総会」(通称「ダボス会議」)でも、耳を疑うような発言が飛び出していた。
「アジアのほとんどの地域では未だに水田に水を張る稲作が行われている。水田稲作は温室効果ガス、メタンの発生源だ。メタンはCO2の何倍も有害だ」(ヘルスケア・農薬のグローバル企業B社CEO)
「農業や漁業は『エコサイド』(生態系や環境を破壊する重大犯罪)とみなすべきだ」(ストップ・エコサイド・インターナショナル代表)

