バブルの夢が残る街「お台場」
お台場、と聞いてまず何を思い浮かべるだろう。埋め立て地、レインボーブリッジ、タワマン、フジテレビ、などのイメージか。遊びに行く街として捉えるなら、どれも今はなくなってしまったが、「パレットタウン」「大江戸温泉物語」「ヴィーナスフォート」などの名があがるかもしれない。
私は、お台場といえばまずフジテレビの本社社屋を思い浮かべる。真ん中に球体を抱えた、はしゃいだデザインのあのビルだ。バブルの時代に「楽しくなければテレビじゃない」といっていたフジテレビのイメージと相まって、それがお台場全体の、私の印象となっている。
もう少し噛み砕くと、私の中のお台場は、“バブルを引きずった、はしゃいだ人たちが集まる場所”といった印象だ。しかし実際に街を歩いてみると、これまでのイメージとはかなり違う姿が見えてきた。
お台場は、1960年代から70年代にかけて東京港の「13号埋立地」として造成された東京臨海副都心エリアにある。ここは、東京都の江東区、港区、品川区の区境が接する、そういう意味ではかなり複雑な地域だ。
港区台場には、1丁目と2丁目がある。住所でいうと、「台場」はこの範囲にとどまる。ここに、14棟のマンションが建っている。そのほとんどが賃貸で、分譲マンションは台場2丁目の「ザ・タワーズ台場」だけだ。
住所で紐解く台場の正体
詳細は後述するが、かつてあった「パレットタウン」や「大江戸温泉物語」は港区台場ではなく、江東区の施設だ。ただし、お台場といえば、これらをひっくるめた地域を指すと言っていいだろう。
台場1丁目にある賃貸マンションに住む安田功さん(65)に話を聞いた。安田さんは、現在台場地区に9つある自治会のひとつ「お台場合同自治会」の会長だ。
「お台場は、1997年にフジテレビが新宿区河田町から移ってきました。同じ時期にこのあたり一帯にマンションが整備されはじめた。私はその第1期の入居です。だから、ほぼ30年にわたってこの地域を見てきたことになりますね」(安田さん)
繰り返すが、お台場にあるマンションのほとんどが賃貸だ。運営は、都住宅供給公社(JKK)、UR、そして都営住宅の3系統が混在している。
「この三つは価格帯もルールも違います。ざっくり言うと都営住宅は低所得者や高齢者向けの色合いが強く、年収の上限制限も厳しい。年収の高い人は入れないということです。こちらは、極端にいえば月額数万円で入居できる部屋もあります」(安田さん)
これまで勝手に、「台場はバブリー」と思い込んでいたが、そうではないらしい。安田さんいわく、「JKKは都営住宅ほどではないが、一定の収入階層向けの賃貸で、その上にURがある」とのこと。


