転職で年収を維持できる確率は4割以下
さらに詳しく見てみましょう。転職者で「800万~1000万円未満」の年収を得られる人の割合は、継続勤務者の3割未満しかいません。「600万~800万円未満」も、継続勤務者の半分以下です。継続勤務者では「600万~1000万円未満」は「標準~中の上」クラスの年収であり、全体の4割強を占めていますが、転職者でその年収の人は16.4%しかおらず、どちらかというと「中の上」というよりも「上」クラスに近い位置づけです。
転職しようとするのであれば、「標準~中の上」クラスの年収を得ている50代後半の継続勤務者、つまり、ごくふつうの50代後半の会社員にとって、転職で年収を維持できる確率は4割以下だということを頭に入れておいてください。
教育費や住宅ローン抱える60代
60代でも子供の教育費や住宅ローンの負担を抱える人は珍しくありません。そうでなくても、働く理由は「生計を維持したいから」が最多です。お金は譲れない条件だと考える人も少なくないはずです。
しかし、転職によって「年収」を上げることは、現実問題としては、かなりハードルが高いと言わざるを得ません。単年度の収入よりも、「年収×勤務可能年数」の総額に目を向けましょう。
60代以降の処遇は、給与引き下げの有無や比率、定年年齢、再雇用後の勤務可能年数など、企業によって異なります。60代社員の給与を今後引き上げる予定の企業は2割を超え、現在検討中の企業を加えると6割近くになります(図表3参照)。
一方で、およそ4分の1の企業は、その予定もなく、検討もしていません。仮に転職で年収が3割下がっても1年長く働けるのであれば、生涯賃金は高くなります。
50代後半以降の転職は、応募先企業の60代以降の処遇と今後の方針を十分確認する必要があります。

