厳しく叱ればパワハラになることも
部下や若手がミスしたとき、年長者としてどう振る舞うべきか。これはマネジメントや人材育成において定番といえるテーマですが、近年は特に重要度が増しています。
今は部下を厳しく叱ったり、長々と説教したりすれば、上司によるパワハラと受け取られたり、会社を辞められてしまうリスクがあります。そんな事態は避けたいと思いつつ、部下がミスをするとついイラッとしたり、愚痴を言いたくなることもあるでしょう。
そんな悩める上司の方々に、ぜひお手本にしていただきたい人物がいます。それが仏教の開祖であるゴータマ・ブッダです。
もちろんその偉大さは誰もが知るところですが、今回ご紹介したいのは、ブッダが死を目の前にしてどう振る舞ったかです。キリストの最期は有名ですが、ブッダがどのように亡くなったかを知らない人は意外と多いかもしれません。
ブッダの死は後世の仏教徒にとって重要な意味を持つ出来事であり、仏教の経典である「大パリニッバーナ経」で詳しく述べられています。これをパーリ語の原本から邦訳したのが『ブッダ最後の旅』で、ブッダが最後の説法の旅に出た道中で死を迎えた経緯が語られています。
それによると、ブッダは食中毒で亡くなったとされます。
旅の途中で鍛冶工の息子チュンダと出会い、熱心な信徒である彼の家に招かれたブッダは、チュンダが用意したきのこ料理を口にしました。しかしすぐに異変に気づき、チュンダに「残ったきのこ料理は、それを穴に埋めなさい」と指示します。つまりブッダは、人間が食べてはいけない危険なものであると瞬時に理解したのです。
食中毒の原因についてははっきりした記述がなく、料理に火が通っていなかったとか、毒きのこが誤って混入したなど諸説ありますが、いずれにしても調理したチュンダのミスであることは間違いありません。しかもブッダはこの食事が原因で亡くなってしまうのですから、ミスと呼ぶにはあまりにも損失が大きく、人類史に残る大失敗と言っていいレベルです。
では、これほどのミスをした相手に、ブッダはどう接したか。
「尊師は〈法に関する講話〉によってかれを教え、諭し、励まし、喜ばせて、座から起って、出て行かれた」
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