自分の仕事を進めたいのに、メールやチャットに時間を奪われる。解決策はないのか。エグゼクティブコーチの吉川ゆりさんは「自分の状況を見える化し、いつなら返信できるかを相手に知らせるのがおすすめだ」という――。

※本稿は、吉川ゆり『なぜ、あなたは時間に追われているのか』(日経BP)の一部を再編集したものです。

ラップトップでタイピング
写真=iStock.com/oatawa
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自分の優先順位よりも他人を優先してしまう

自分で決めた優先順位よりも、
人からの依頼・連絡・周囲の空気を優先してしまう

・よくある誤解→「優柔不断だ」
・頭の中の独り言→「今相手に返事しないと悪い」「相手との関係を壊したくない」
・本当の原因→タスクよりも社会的な安全性が優先される
・必要な仕組み→自身のタスクを優先しても、安全・安心が損なわれない仕組み

「自分で決めた優先順位よりも、人からの依頼・連絡・周囲の空気を優先してしまい、気づくと自分の大事な仕事が後回しになっている」という人もいます。優先順位を貫けない、締め切りに遅れがちになるという点で、しばしば「優柔不断だ」などのレッテルを張られることがあります。

しかし、これは決して、意志力や判断力の問題ではありません。背景にあるのは、他者との関係性を重視し、人間関係を大切にしたいという、健全な思いなのです。その欲求を否定するのではなく、関係を守るための「境界線」を、仕組みとして作るのがおすすめです。

仕組み① 即レスをやめるのではなく「見える化」する

このタイプの人は、メールやチャットの即レスをやめるのが苦手です。相手との関係を最優先したいからです。それでも、即レスを続けている限り、自分の大事な仕事に集中できません。このため、ますます自分の仕事が進まないという悪循環に陥ってしまいます。

こうした場合におすすめなのが、「今は返信できないが、いつなら返信できる」という予定を、一旦相手に知らせることです。自分の状況を「見える化」するのです。

チャットの自動返信を活用

チャットの場合、SlackやマイクロソフトのTeamsといった代表的なツールには、チャットを送ってきた相手に、自分の状態を自動で返信してくれる機能があります。これを活用し、例えば「企画書作成中。○時以降に返信します」などと文章を設定し、自動返信されるように設定しておくのです。

文章を毎回考え直すと手間になり続かないので、「資料作成中。15時以降に返信します」「データ分析中。16時以降に確認します」といった2~3種類をテンプレートとして用意します。そして、ステータスには終了予定時刻を設定しておきます。

それが、あなた自身の作業を終わらせる目標時間にもなります。

集中時間に入る前に必ずステータスを切り替えて、相手に、集中時間に入ったことを知らせます。同時に通知設定を「通知オフ」にします。すべての通知を完全にオフにするのが難しい場合は、重要なチャンネルだけが例外的に通知されるように設定してもいいでしょう。