※本稿は、吉川ゆり『なぜ、あなたは時間に追われているのか』(日経BP)の一部を再編集したものです。
経営者なのに週3日しか働かない人たち
「無我夢中で何かに没頭している状態」をフロー状態といいます。フロー理論を応用して私が実践しているのは、難しい、やりたくないと思っている仕事を1日で一気に片付けてしまうという方法です。この方法を最初に試したとき、私は衝撃を受けました。「1カ月はかかるだろうな」と考えていた仕事が、たったの1日でサクッと片付いてしまったのです。
この方法に出合ったのは、まだ新型コロナウイルスのパンデミックが続いていた頃です。当時は米国でも、在宅での生産性向上に悩む人が多く、私も非常に悩んでいました。そんななか、副業としてコーチングを始めていた私は、ビジネスの参考にしようと、米国のミリオネア(富裕層)たちが集まるコミュニティーに参加しました。すると、そこで出会った経営者たちから「会社の経営を週3日、あるいは1日3時間といった短い時間でこなし、高い成果を上げている」という話を聞いたのです。
1カ月かかると思っていた仕事が…
なぜそんなことが可能なのか。驚きながら彼らの話をよく聞くと、「フローの理論」の活用でした。つまり、高い集中力で、重要な仕事を一気に仕上げてしまうのです。
彼らは、そうして生まれた余白の時間を、家族との時間やスキルアップのために使っていました。
そんな夢のような働き方が、本当にできるのか。半信半疑で私が試してみたのは、オンライン講座のプログラムの組み立てと教材の作成でした。何モジュールもあるような講座で、レッスン数は全部で20ほど。それぞれに1本5~10分の動画教材と、5~6ページのワークブックを用意する必要がありました。企画、組み立て、教材作り、さらに撮影なども含めると、完成までに1カ月はかかるだろうと考えていました。
しかし、この方法を使い、朝起きた瞬間から仕事に取りかかったら、1日で講座を完成させることができたのです。その日は午後早くに仕事が終わったので、夕方に子どもを学校に迎えに行くこともできました。さらに、教材の完成が早まったことで、予定していた時期より2カ月も早く、講座の募集をスタートさせることもできたのです。

