「トランプはプーチンが好き」は本当か
【渡瀬】トランプの派手なパフォーマンスについてどう思いますか。これも目標達成のために必要ですか?
【フライツ】彼は取引の達人です。虚勢を張ったり、ハッタリをかませたりする。それが彼のスタイルであり、ある種のパフォーマーなのです。
トランプの外国の指導者についての発言を取り上げ、トランプがプーチンや習近平に過剰に好意的であるかのように批判する向きがあり、「トランプは独裁者が好きなのだ」などといわれたりします。しかし、独裁者が好きなどということはまったくなく、トランプは単に取引を成立させようとしているのです。取引を成立させる際、相手にお世辞をいうことがあるでしょう。
大統領執務室でトランプ大統領が推進する政策を発表する際などにも、ある種のパフォーマンスが伴います。例えば最近、暗号通貨関連の法案「ジーニアス法」に署名した際、トランプは「これは私にちなんで名づけられた」と冗談を飛ばした。まさにトランプらしい言い方です。
トランプは面白いことをいったり、時にはさほど真剣でない軽いメッセージで人をからかったりすることもありますし、批判者、特に報道陣を挑発しようとすることがあります。それに関して説明を求められても、「トランプはトランプらしく振る舞うだけ」としか言いようがありませんね。
アメリカが軍事力を行使できる条件とは
【渡瀬】トランプ政権の外交・安全保障政策における最終的な目標は何ですか?
【フライツ】米国国家安全保障戦略のことをトランプは「アメリカ・ファースト」と呼んでいますが、(アメリカ一国さえよければいい、というような印象を与えないために)他国の友人たちには「トランプ・ドクトリン」と説明したほうがよさそうです。
これは、強力なアメリカ大統領、強力な国家安全保障チーム、非常に攻撃的な国家安全保障政策、強力な軍隊を意味します。
しかし、大統領には軍事力を慎重に扱い、米国の国家安全保障の利益が脅かされる場合のみ使用することが望まれます。また、同盟国と協力する一方で、同盟国に自らの責任を果たすことを求める大統領でなくてはいけません。この大統領は国連を通じて行動しますが、特に中国が支配する国連機関に対しては懐疑的です。
この外交政策アプローチは、ある意味でロナルド・レーガンが提唱した「強さによる平和」というスローガンを基盤としていますが、トランプはこのモットーを少し修正し、「強さと通商による平和」を望んでいる、と述べました。


