資産運用の大原則を数学的に証明した

次の大きな発見は、異なる波がぶつかると打ち消し合うように、複数の株式を組み合わせると、株式同士がリスクを打ち消し合うことでした。

つまり、株式を分散して保有すると、期待リターンは変わらずに、リスクだけを減らすことができるのです。

これが「モダンポートフォリオ理論」(図表4)と呼ばれているもので、昔から言われている「卵は同じカゴに盛るな」を数学的に証明したのです。

モダンポートフォリオ理論
異なる値動きをする資産をうまく組み合わせることで、同じリスクで高いリターンを得ること

【大橋】はい……。

何も考えず「市場のコピー」を買えばいい

【橘】さらに研究が進んで、市場が効率的だと仮定すると、株式市場の動きがすべて数学的に説明できることがわかりました。これが「効率的市場仮説」で、割安な株があったらすぐ買われ、割高な株はすぐに売られるのなら、市場参加者はだれひとり有利な立場を手にすることはできず、株式投資は偶然のゲームになります。

(中略)

そうなると、「合理的な投資家にとっての株式ポートフォリオとは何なのか?」を知りたいと思うでしょう。この疑問に答えたのが「CAPM(キャップエム)」モデルで、簡単に言うなら、「市場に参加するすべての投資家が合理的であれば、市場に存在するすべての株式を、市場に存在する割合だけ保有する」ことを証明しました。この「経済学的に正しい投資法」にもとづいて考案されたのが、インデックスファンドです。

わかりましたか?

【大橋】全く、わかりません……。

【橘】……。でしたら、ここでは卵は同じカゴに盛るなという資産運用の大原則があることと、市場全体の縮小コピーであるインデックスファンドを買えばいい。ということを覚えておいてください。

ファイナンス理論のポイント
・株式は分散させると、リスクに対して期待できるリターンが大きくなる(卵は同じカゴに盛るな)
・もっとも効率の良い投資は市場全体のコピーであるインデックスファンドを買うこと