「こうするべき」は人によって違う

お互いの立場があり、お互いの事情が違うので意見が合わないことがあっても仕方がないです。しかし、仕事ができる人はそれでも対立せず、相手に頼ることができます。感情的に少し波立っていても、それを抑える方法を知っています。

議論するビジネスマン
写真=iStock.com/fizkes
※写真はイメージです

そもそも対立するのは、お互いに考えていることが違うからです。これを「価値観が違う」と表現するケースが多いですが、それでは言葉としてあいまいです。

違うのは価値観ではなく「べき論」です。自分が「こうするべき」と思っていることを相手がやらないからイラつくんです。自分が「正義」だと思っているものも、相手はそう思っていないケースはよくあります。立場が変われば「正義」も変わりますので、どちらが正しいとも言えません。

こちらが相手に「こうするべきだ!」と強く主張しても、そもそも相手はそう思っていません。だからやりません。そもそも、もしかしたらこちらが間違っている可能性もあります。つまり、ぼくらは勝手に自分の考えを相手に押し付けて、勝手に怒っている可能性があるわけですね。

対立が生まれたとき、相手がこちらを理解しないと怒るのではなく、まずは自分が持っている「べき論」を整理したほうがいいです。何をする「べき」と思っているのか、この案件はどうする「べき」と思っているのか、それを書き出してみましょう。そうすることで、まずは感情的にならずに自分の考えを自分で確認できます。

「べき論」の背後にある恐怖を見つめ直す

そして、同時に考えてもらいたいことが「『べき論』の背景にある自分の恐怖」です。自分が何かに対して「べき」と感じるとき、その「べき」の背景には必ず「さもないとこうなってしまう」という恐怖があります。恐怖があるから「これはこうするべき」という発想になるわけです。

そして、その恐怖が強ければ強いほど、持っている「べき」も強くなり、譲れなくなります。譲れなくなれば、その「べき」を守らない人とは強く対立することになってしまいます。

でも、ここで少し考えてみます。その恐怖は本当に起きてしまうものなのでしょうか? もしかしたら自分が勝手にそう思い込んでいるだけで、単なる妄想かもしれません。恐れていることは起きないかもしれませんし、仮に起きたとしても大したことがないかもしれません。