三井物産が伸びたワケ

就活生から絶対的な人気を誇る商社は今回も安定していた。

いわゆる五大商社は全てトップ15圏内にランクインしており、最高順位は三菱商事の5位。ただ、平均年収は前年比で57.6万円減少となる2033.3万円だった。同社として初となる2年連続の基本給アップ(ベア)をしたものの、2024年3月期の業績が振るわず連動型の報酬が減少したとみられる。

業績不振を受けながら、平均年収は商社として唯一の「2000万円台」を死守した三菱商事に肉薄したのが、前年比96.5万円アップで1996.4万円だった三井物産だ。2023年度決算では、24年ぶりに純利益が商社1位となって話題を呼んだ。三菱商事との平均年収差は前回調査で191万円だったところ、今回は36.9万円まで迫っている。

三井物産の広報によると、年収増に影響したのは2024年7月に実施した人事制度の改定だという。勤務地を限定しない「担当職」と、国内の同一地域で勤務する「業務職」を統廃合し、ライフステージやキャリアに合わせて柔軟に選べるようにした。給与体系については「競争力ある水準を保ちつつ、発揮した能力、成し遂げた成果と貢献に報いる」ことを念頭に置き、「各自のパフォーマンスに対する適切な報酬制度」を導入しているという。

厳しさが見える海運各社

業種別で、不調だったのが海運業界だ。コロナ禍の反動を受けた特需もあった2022年度から一転。2023年度は、日本郵船・商船三井・川崎汽船と大手3社の出資するONE(オーシャン ネットワーク エクスプレス ホールディングス)が運賃市場の低迷に大きな影響を受けたこともあり、各社とも経常利益が前年比マイナスに。前回調査では業界から4社がトップ30にランクインしていたところ、今回は2社のみと半減した。

業界トップの商船三井は、前年から238.7万円減となる1436.7万円で27位にランクインした。川崎汽船(62位)も同171.3万円減の1222.7万円。大手3社のうち、気を吐いたのが日本郵船だ。前年から56.6万円の増加となる1435.4万円で29位にランクインした。

現在、アメリカ、イスラエルによる攻撃の報復で、ホルムズ海峡は事実上封鎖となっている。海運業界への打撃は必至とみられる。