期待される削減効果は約1880億円
そもそもこの政策によって、どれだけの医療費削減効果が「期待」されているのでしょうか。
報道によれば、政府は医療費ベースで約1880億円の財政効果を見込んでいるといいます。
この数字を見て驚かれた方も多いのではないでしょうか。
花粉症に悩む人たちだけでなく、そのほかの対象となる薬剤で健康を維持している人たちの負担を増やしてしまう政策。にもかかわらず、削減されるかもしれないのは、「たったの1880億円」なのです。
そしてこれらの政策を強引に推し進めることで、現在の年間10兆円ともいわれる経済損失が、さらに膨らむ可能性もあるのです。
政府が「1880億円の医療費を削った」と胸を張る一方で、その50倍以上、じつに10兆円以上の経済価値が、花粉症による生産性低下によってわが国から消えていく。100円玉1個をケチるために5000円札をドブに捨てるような判断を、果たして「賢明な政策」と呼べるでしょうか。
まさに「爪で拾って、箕でこぼす」という諺が見事に当てはまる“大愚策”といってもよいのではないでしょうか。
こうして日本の経済は沈んでいく
そもそも「10兆円の損失」というデータは、国が自らの予算(厚生労働科学研究費)を投じて算出させた「公的なエビデンス」です。国費を投じて「花粉症対策こそが経済成長のカギである」と証明しておきながら、打ち出してくる政策は、その解決策である医療アクセスを「自己負担増」という壁で遮断してしまうもの。
これはもはや、右手で成長のスイッチを押し、左足で全力のブレーキを踏んでいるようなものと言えないでしょうか。
高市首相は施政方針演説で、「成長のスイッチを押して、押して、押して、押して、押しまくります」と述べましたが、このまま強引にこの間違ったスイッチを「押し」まくれば、“たかが花粉症”によって、わが国の成長はさらに鈍化していくことでしょう。
今からでも遅くありません。「OTC本家薬」の自己負担増政策を実行にうつせば、患者さん個人が困るのはもちろんのこと、わが国の社会、国家に甚大な影響をおよぼしかねないことは、もはや「国が主導した研究データ」から明白なのです。
わが国の成長の足を引っ張るこの「大愚策」。自民党と日本維新の会の国会議員の皆さんは、花粉症についてもう一度よく勉強しなおしたほうが、よろしいのではないでしょうか。


