山城としては造りの甘い明智城

もうひとつの可児市の明智城は、木曽川と明智荘を見晴らす山城。こちらは明智長山城の異名を持つ。麓からの比高は80mと明知城と同様だが、こちらは横に長い屏風のような小山だ。

北麓から眺める明智城
撮影=今泉慎一(風来堂)
北麓から眺める明智城

城の表玄関、大手門からの道は勾配はゆるい谷底道。登るほど狭まり、かつては両斜面ともに竪堀が掘られていたようだが、その痕跡はほとんどわからない。

大手門は冠木門で再現されている
撮影=今泉慎一(風来堂)
大手門は冠木門で再現されている

尾根まで登ると二ノ丸曲輪で、ここから本丸曲輪まではほとんど平地。明知城に比べると削平が甘い。曲輪の外周部には土塁もあるがごくわずか。

二ノ丸から本丸方面
撮影=今泉慎一(風来堂)
二ノ丸から本丸方面
二ノ丸曲輪の「七ツ塚」。落城時の戦没者を葬ったと伝わる
撮影=今泉慎一(風来堂)
二ノ丸曲輪の「七ツ塚」。落城時の戦没者を葬ったと伝わる

大手道ではなく「裏口」の搦手道はというと、こちらはやや構造的に工夫が見られる気がする。ただし荒々しく、人工的な加工だとわかる遺構はごくわずかだ。自然地形としてはそれなりに険しいが、明知城に比べると圧倒的に加工が甘い。その差は、実際に登ってみると歴然だ。

搦手道から見上げた本丸方面
撮影=今泉慎一(風来堂)
搦手道から見上げた本丸方面