日本国内の新生児が、また一段と減少した。厚生労働省が2月26日に公表した人口動態統計(速報)によれば、2025年の出生数は70万5809人。前年より2.1%減り、10年連続で過去最少を更新した。統計上の「最少」を更新すること自体が、もはや例外ではなくなっている。
一方、韓国では減少に歯止めがかかったかに見える動きも出ている。韓国の統計当局が公表した暫定値では、2025年の出生数は25万4500人で前年比6.8%増。合計特殊出生率も0.80へ上昇し、前年(0.75)から持ち直した。依然として世界でも例のない低水準に変わりはないが、少なくとも「下げ止まり」を示す数字が出たことは注目される。
もっとも、出生数の絶対値を単純に並べて「日本が多い/韓国が少ない」と論じてもあまり意味がない。人口規模が違ううえ、日本の今回の「速報」には国内の外国人や国外の日本人、前年以前の遅れ計上分も含まれる。一方、韓国側も暫定値で、後日更新される可能性がある。厳密な比較は、日本の月報年計(概数)や年報(確定数)が出た段階で、条件をそろえて再検証する必要がある。
それでも今、日韓を並べる価値があるとすれば、「水準」ではなく「流れ」だ。同じ2025年に、なぜ“超少子化”の国同士で方向感が分かれたのか――。その問いは、日本の政策や社会の選択肢を考えるうえでも示唆が大きいだろう。
韓国メディアは日本の「過去最少」をどう扱ったか
興味深いのは、日本の速報が出た直後、韓国でもこの数字が海外ニュースとして素早く拾われたことだ。韓国メディアのデイリーグッドニュースは、厚労省の人口動態統計(速報)を引き、2025年の出生数が前年から2.1%減の70万5809人となった点を伝えたうえで、「1899年に関連統計が集計されて以来、最も少ない水準」と位置づけた。
同記事ではまた速報値の性格についても踏み込んでいる。デイリーグッドニュースは「日本人の出生数は、これより少ない可能性が高い」と記し、速報が日本国内の外国人などを含むことを踏まえつつ、実態がさらに厳しく出る余地を示唆した。
さらに同記事は、日本経済新聞の論評を引用して紹介している。日経は今回の統計について、国の推計より17年早いペースで少子化が進んでいるとし、「政策判断の前提が揺らいでおり、持続可能な社会保障体制の再設計が不可避だ」と指摘した――という。日本の出生減が、単なる人口ニュースではなく、社会保障や国家運営の設計問題に直結するという視点は、韓国側の問題意識とも重なる。
韓国の“増加”は何を意味するのか――「第2次エコブーム世代」
では、韓国の数字をどう位置づければいいのか。韓国国家データ庁は、2025年の出生数増加の主な要因として、コロナ禍に抑制されていた結婚が解消され婚姻数が回復したことを筆頭に挙げている。コロナ禍で結婚を先送りにしていた世代が、その後に婚姻・出産に動いた結果が、数字に表れたという見立てだ。
これに加えて韓国で繰り返し語られているのが「第2次エコブーム世代」という言葉だ。おおむね1990年代前半〜半ば生まれの、人口が相対的に厚い世代を指す。

