この表現が示すのは、出生率が急に高くなったというより、出産年齢の中心にいる層の人数が厚いことで、出生数が押し上げられやすい局面に入ったという説明だ。親世代に当たる「第2次ベビーブーム世代」の“反響(echo)”が子ども世代に及ぶ、という人口学の比喩でもある。
ポイントは、これが統計を持ち上げる材料になり得る一方で、その効果が永続しないという点だ。人口の厚い世代が出産期を抜ければ、押し上げ効果は弱まる。韓国の「増加」を底打ちの兆しと見るにしても、それが一時的な人口構造の波なのか、結婚や家計環境の変化を伴う構造的な転換なのかは、もう少し時間をかけて見極める必要がある。
日本はなぜ下げ止まらないのか
日本の出生減の背景として、未婚化・晩婚化は大きい。だが、それだけで説明しきれない。結婚後に持つ子どもの数(出生行動)も細っている。育児と仕事の両立の難しさ、教育費や住まい、将来不安――要因は複合的で、単一の政策で反転させるのが難しいのが現実だ。
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当記事は「ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)からの転載記事です。元記事はこちら


