「地方自治法違反」とは

伊東市議会は、昨年(2025年)9月1日に、田久保市長(当時)への不信任決議案を全会一致で可決するとともに、同氏による百条委員会への出頭拒否、記録提出拒否、証言拒否、虚偽証言の4件について地方自治法違反での刑事告発も可決した。静岡県警伊東警察署に告発状を提出し、受理されている(「田久保真紀市長の不信任案を全会一致で可決 伊東市議会、刑事告発も」朝日新聞、2025年9月1日11時42分配信)。

ここでの違反とは何か。「百条委員会」の名前の通り、同法百条に定められた委員会にまつわる違反の疑いである。「正当な理由がないのに」、出頭をしなかったり、記録を提出しなかったり、証言を拒んだりすると、「6カ月以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金」とされている(同条3項)。また、「虚偽の陳述」については、「3カ月以上5年以下の拘禁刑」(同条7項)とされている。

この「百条委員会」が強い権限を持っているのは、この2つの項目について「罪を犯したもの」と議会が認めるときは、「告発しなければならない」としている(同条9項)ところにもある。

出頭や証言について強制力があるばかりか、それを拒んだり、嘘をついたりしたら、ほぼ自動的に警察に告発される、そんなところに、この「百条委員会」の意味がある。住民から選ばれた議会からの求めには、「正当な理由がない」限りは従わなければならない。そうした地方自治法の根本が、この「百条」なのである。

2014年10月19日、伊東警察署
伊東警察署(写真=あばさー/PD-self/Wikimedia Commons

出頭拒否は「明白な違反」

田久保氏は、その本丸を蔑ろにしたのではないか。いや、ではないか、という疑いではない。百条委員会は、公開されていたし、その出頭拒否についても、田久保氏は、わざわざ「回答書」まで提出する念の入れようだった(「伊東市長、百条委への出頭拒否 「回答が不可能」 静岡」時事ドットコムニュース、2025年7月24日18時6分配信)。

今回の「書類送検」にあたって、警察からどんな「意見」がつけられたのかは定かではない。ただ、この地方自治法違反については、田久保氏本人が堂々と、出頭を拒否する「回答書」を送り、しかも、メディアを含めた衆人環視のもとで証言を拒否している以上、明明白白ではないか。であれば、誰が見ても起訴すべきだし、そして、有罪判決を得られるに違いない、そんな目論見があるのかもしれない。

重要なのは、こうした捜査機関の意図にまつわる邪推でも、田久保氏への個人攻撃でもない。「地方自治法違反」での「書類送検」というニュースが、私たちにつきつける教訓ではないか。その教訓とは何か。