日本とイランの蜜月に終止符か
日本とイランは1953年の日章丸事件を契機に欧米諸国とは一線を画す形で、伝統的に良好な関係を築いてきた。今回テヘラン支局長が拘束されたとされるNHKでも、これまで欧米メディアと比べてイラン体制やイラン革命の実情を比較的バランスよく伝えてきた。
1986年には、NHK連続テレビ小説「おしん」がイランで放送された。宗教的規制が厳しい同国において、外国番組としては初期に放送が認められた例の一つである。視聴率は非常に高く、放送時間になると街から人影が消え、交通渋滞が緩和されたと語られるほどの人気を博した。
外務省が発表する令和6年度海外対日世論調査でも、イランを含む中東7カ国は、対日関係について、78%が「友好的な関係にある」と答え、国民レベルでは日本に対するイメージは良好と言える。
しかし、当然ながらイラン政府の認識は必ずしもそれと一致しない。日本はイランと一定の良好な関係を維持しつつも、米国と強固な同盟関係にある。特に大規模な抗議活動が発生し、イラン当局が神経をとがらせていた時期には、あらゆる疑念を徹底的に排除して外交カードを獲得し、報道を萎縮させようという動きに出ることは否定できない。
イランが直面する厳しい国際環境と深刻な孤立の現実を浮き彫りにしていると言えるだろう。


