国鉄民営化後「1期生社長」のミッション
【田中】組織改革も大胆ですね。今年7月、36事業本部制へ移行される。
【喜㔟】今の組織は、第一線でサービスを展開する組織、エリアを管轄する支社や本部、そして本社という三層構造です。7月1日に中間層を廃止して、現在の12エリアを36の事業本部に分けます。お客様のマーケット、地域の期待、運行形態などを見て36に分け、意思決定を現場に近づけます。
駅員の仕事をやりながら、観光の活性化や地域の産業振興も自分の仕事としてできる。グループ全体の成長と、社員一人ひとりの働きがいや成長の実感を持てる組織にしていきたい。国鉄時代の業務執行体制を超え、その先にある組織を目指しています。
【田中】最後に、経営者としての哲学をお聞かせください。
【喜㔟】私は国鉄が民営化されて初めて採用になった社員です。国鉄と、本当の意味での民間会社としてのJR東日本との大きな節目をつけなきゃいけない――これがずっとミッションだと思っていました。
鉄道を祖業として守りつつも、モビリティ事業と生活ソリューション事業の「2軸の経営」を推し進める。デジタルの基盤で新しいビジネスストラクチャーをつくって、新しいJR東日本グループをつくっていく。その峠に自分は立っているんだという意識が常にあります。
大切にしている言葉は2つあって、一つは「我より古を作す」。前例にとらわれず、自分自身が未来の前例をつくる気概でやっていくということです。もう一つは、困難な状況に直面して初めてその人の真価や意思の強さが明らかになるという「疾風に勁草を知る」。時代環境が激しく変わる中にあっても、JR東日本グループは常に強く立っていける企業グループでありたいです。
(構成=伊田欣司)


