別の感情にシフトできないと…

このように、ある感情について理解、思考、あるいは伝達することを常としている脳が、突発的に人を攻撃するというのは考えづらいでしょう。怒りなどネガティブな感情を別の脳番地に変換できる脳は、「いじめ脳」にはなりにくいと言えます。

加藤俊徳『いじめ脳 脳科学が解き明かす「メカニズム」と「対処法」』(SB新書)
加藤俊徳『いじめ脳 脳科学が解き明かす「メカニズム」と「対処法」』(SB新書)

では、こうしたコントロールができない人の脳はどうなっているのでしょうか。

決して知能が低いわけではありません。感情を脳番地に変換する以前に、あるものが枯渇している。そのせいで理不尽にも他者を攻撃するしか選択肢がないのです。

何が枯渇しているかというと、己の目的に向かって行動を起こす「動機づけ」、脳科学的に言うと「ドーパミン」です。

留意していただきたいのは、これは生まれながらの脳の「出来のよし悪し」、いわゆる「頭がいい」とか「頭が悪い」とかの話ではないという点です。

「頭が悪いから、いじめる」のではなくて、さまざまな事情により、脳が動機づけ、ドーパミンが不足しているという1つの「状態」にあると、いじめ脳になってしまうという話なのです。

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