会話中に意識したい「相手との距離感」
さらに目線だけではなく、コミュニケーションにおいては適切な「距離感」も大切です。言葉以外の部分、相手の表情や仕草にも意識を向けると、より深いコミュニケーションが生まれます。
ちなみに、言葉は内容だけでなく、それがどんなトーンで話されているかということも情報として相手に伝わることは、すでにご存知の方も多いでしょう。
あまり知られていないと思いますが、コピーライターはラジオCMの収録でディレクターを務めることもあります。自分の書いたナレーション原稿をナレーターの方に読んでいただく際に、読み方の指示を出すのです。
もしも、ナレーターさんが自分のイメージより暗めのトーンで原稿を読んでいた場合、「もっと明るい声にしてほしい」とオーダーをしなくてはなりません。
そんな時に私は「もっと明るい声で読んでください」ではなく、「もうちょっと笑顔で読んでみてください」とお願いをします。人は笑顔になると、自然と声のトーンも明るくなるからです。
表情と声のトーンはつながっています。相手と会話する時は微笑みを意識して会話をするだけで、自然と声のトーンも明るくなりますので、ぜひ実践してもらえたらと思います。
ルール⑤ 好きなところを1つ見つける
「カジュアルな感覚で部下に接したら、むしろ距離を取られてしまった」
「経験の少ない業界のクライアントとの会議で、伝わっていると思ったことがまったく伝わっていなかった」
そんなふうに世代や業界が異なる相手とは、コミュニケーションの難易度もやはり上がります。一方、どんなケースであっても、じつはそこには共通している要素があります。
それは、相手との信頼感がまだ薄いということ。
年下の部下と手軽に距離を詰めたいから、プライベートの話題に踏み込む。
限られた時間で手早く合意形成をしたい一心で、相手に返答を迫る。
はやる気持ちはよくわかりますが、相手も人間です。そこに信頼が生まれない限り、相手にとってあなたは「本音を話すには値しない存在」のままであって、大切なことはなかなか聞き出せないでしょう。
「考えや感情を話すに値する相手」になることを目指す。
そのためには、まずは1つ、目の前の相手やものの好きなところを1つ見つけることをぜひおすすめします。
部下や上司、取引先、仕事先で関わる商品やサービスに、何か1つだけでも「ここはいいな」と思えるところを探す。言い換えれば、相手をよく見て関心を持つことが、聞き出すためのスタート地点です。

