タモリが「大人」なら所は「少年」

その象徴が、「世田谷ベース」だ。ご存じの方も多いだろうが、所がプライベートで所有している事務所を兼ねたガレージ。趣味のバイクやさまざまなコレクションが飾られ、さらにそこで思いついた道具やおもちゃを自作したりする。

たとえば、トンカチの持ち手と頭を糸でつないだ「けん玉型トンカチ」など。なかには実用的で、特許を取得したものもある。いわゆる秘密基地である。親交のあるビートたけしがふらっと遊びに来たりする。

世田谷ベースは番組にもなっている。その名も『所さんの世田谷ベース』(BSフジ)という番組で、こちらもそろそろ20周年を迎える長寿番組だ。

ここまで来ると、趣味と仕事の区別はあってないようなもの。タモリと双璧を成している。

タモリと言えば趣味人であると同時に教養があるというイメージだが、所も意外に負けていない。日曜早朝の番組『所さんの目がテン!』(日本テレビ系)は、科学をベースにした教養バラエティ。こちらも1989年から放送されている長寿番組だ。

あまり知られていない動物の生態を観察して記録したり、身近な自然現象の仕組みを実験で再現したりする。荒廃していた里山を復興させる「かがくの里」という長期プロジェクトもあり、所自身がロケに出ることもある。そうした試みや成果が認められ、科学技術映像祭 文部科学大臣賞などさまざまな賞を受賞している。

そもそもはミュージシャン志望

往年の人気クイズ番組『マジカル頭脳パワー‼』(日本テレビ系)などの解答者で示していた所の地頭の良さは知られるところだろう。タモリが大人の趣味人だとすれば、所は子どもの気持ちを持ち続ける趣味人といったところだ。

タモリとの共通点としては、音楽もある。

最近は、『NHK紅白歌合戦』にも出場した新浜レオンの楽曲制作で注目されている。2024年には、新浜の楽曲「全てあげよう」でなんと日本レコード大賞作曲賞を受賞した。「ミスタードーナツ」の有名なCMソング「いいことあるぞ~ ミスタードーナツ♪」も所のつくった曲だ。

ミスタードーナツの店舗
写真=iStock.com/tupungato
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そもそもが、ミュージシャン志望。だがいくらオーディションを受けてもまったくダメだった。そんなときに出会ったのが、大ヒット曲「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」などで有名なロックバンド、ダウン・タウン・ブギウギ・バンドの宇崎竜童である。なんとか頼み込んでダウン・タウン・ブギウギ・バンドの前座に。

そのステージがまた所らしい。リーゼントにサングラス、つなぎ姿でステージに登場。これはダウン・タウン・ブギウギ・バンドのトレードマークだった出で立ち。最初客席は大歓声をあげるが、よく見ると所ジョージ。この人を食ったギャグが、たまたま見に来ていたテレビ局のプロデューサーの目に留まり、デビューとなった(J-WAVE『SAPPORO BEER OTOAJITO』2019年4月20日放送回)。

「所ジョージ」という芸名もそこで生まれた。師匠とも言える宇崎竜童の命名である。埼玉・所沢の出身であること、そして外国でも通用しそうな名前ということで「ジョージ」となった。