1週間ごとに恋人をかえ続けた男性の心理
価値観は、「何を」高く評価するかだけでなく、「誰を」高く評価するかにも影響を与えます。かくれうつの人は、仕事でもプライベートでも、人間関係において度を越した行動を取りがちです。でも、自分の価値観を明確にし、それを守るようにすれば、機能不全な人間関係は自然と生活から消えていきます。
心と体が満たされて満足するために何が必要かを知っているので、健全な人間関係が築かれ、満たされない人間関係から解放されるのです。人生で何が最も大切かを知り、そこから外れないことで、破滅的な人間関係や離婚さえも避けることができます。
かつて、デニスという患者がいました。成功を収めた引っ張りだこのプロのダンサーで、自分がひどく不幸だと気づいて相談に来たのですが、数回のセッションの後、その理由が分かりました。まだ10歳の時に、母親が別の男性と不倫をし、デニスと二人の弟と父親を捨てて新しい人生を歩み始めたのです。
大人になったデニスは、母親から得られなかった愛情と関心を必死に求め、1週間ごとに恋人を取り換えていました。同時に、母親への怒りが冷めていなかったため、交際相手の女性たちを憎んでいたのです。
「価値観」を見失い、自分を傷つけていた
デニスの価値観は「愛情」と「安心感」でした。でも、彼はマゾヒスティックな行動を取り、休みなく働き、人間関係に時間を割くことはありませんでした――足首を捻挫するまでは。仕事を休まざるを得なくなり、自分の生き方や自分にとって何が大切なのかを考える時間が増え、生まれて初めて1週間以上続く交際相手が現れました。
その女性は彼が松葉杖をついている間、世話をしてくれました。デニスは子供の頃に欠けていた世話に身を委ね、愛情と安心感を得ることができたのです。ようやく彼は、満ち足りた気持ちになりました。
Part1で述べたように、自分の価値観をきちんと分かっていなかったり、見失ったりすると、マゾヒズムに陥る可能性があります。
自己犠牲的で自己破壊的な行動を取ると、他者から(精神的または肉体的な)苦痛を伴う、無礼で有害な扱いを受けやすくなります。専門家の中には、罪悪感があるために、他者ではなく自分自身に向ける攻撃の一種だと考える人もいます。

