見えてきたリニア停車駅の姿
毎週の報告を見ると、最も順調な区間では1週間で100メートルほど掘り進められている。このペースで1年休みなく続けてもらえれば約5キロはできあがる計算だ。
ほかにも細かく進捗状況が示されているが、10キロ単位の距離で完成したところはさすがにまだない。将来営業列車が走ることとなる山梨リニア実験線の長さ42.8キロが連続して完成した最も長い区間だ。
駅の建設工事も進められている。品川駅―名古屋駅間に合わせて7駅が建設されるなか、JR東海は2025年10月25日に神奈川県駅(仮称)を報道陣に公開した。
この駅はJR東日本横浜線、同相模線、京王電鉄相模原線の橋本駅にほど近い。先ほど紹介した第一首都圏トンネル、そして長さ3.6キロの第二首都圏トンネルにはさまれた場所に設置されていて、線路やホームは地下に建設される。
ホームは2面設けられ、その両側に線路が敷設されるので、線路は4線となる計算だ。東海道新幹線でいうと、品川駅や新横浜駅、名古屋駅、京都駅と同じつくりをもつ。
神奈川県駅は駅の部分の長さが約680メートル、幅が最大50メートルある。地上から深さ約30メートルの穴を掘り、この中にコンクリート製の箱状の駅を構築し、完成したら埋め戻すという、地下鉄の駅に見られる開削工法が採用された。
2025年10月の時点では地下に土台ができあがった程度で、まだ箱状の構造物も姿を見せていない。ただし、土台には線路や敷かれたり、ホームが置かれたりするであろう基礎部分が姿を見せていた。
神奈川で行われたイベントの意味
JR東海は同時に第二首都圏トンネルの掘削を担うシールドマシンも公開している。筒型の重機の直径は約14メートルあり、前面に見える刃を回転させながら、第二首都圏トンネル3.6キロ分を掘り進めていくという。
神奈川県駅の報道公開で注目されたのは「さがみはらリニアフェスタ2025」というイベントと同時に開催されたという点だ。イベントには一般からも参加が可能で、リニア中央新幹線に関する展示はもちろん、オープニングセレモニーとして神奈川県立相模原弥生高校吹奏楽部による演奏、さらには駅地下の工事現場に設けられたステージで神奈川県民ホール主催の演奏会が催された。
この手のイベントなどとうの昔から行われていたと思われがちだ。しかし、リニア中央新幹線に関して言うと、2024(令和6)年ごろまでほとんど行われていない。恐らくは静岡県をはじめとする沿線の関係者にJR東海が遠慮したのであろう。


