視界が良く、市街地でも扱いやすい

そして、それは偶然ではない。ホンダはF1レースなどさまざまなモータースポーツ活動で得た知見と経験を背景に、走行性能だけを極端に追求することもできた。しかし彼らは、「日常で扱えるMR」という矛盾ともいえるテーマに真正面から向き合ったのだ。

日常的な運転環境が考慮されたがゆえにミッドシップ車では異例とも言える広範な視界は、ドライバーの緊張感を和らげ、結果として高い運動性能を安全かつ快適に享受することを可能にした。視界の良さは、市街地での扱いやすさにも貢献している。

NSXの技術的な偉業のひとつに、量産車としては世界初のオールアルミ製モノコックボディの採用が挙げられる。これにより、車両重量はわずか1350kg(5MT車)に抑えられ、運動性能の向上に大きく貢献している。この軽量ボディにより、V6 DOHC VTECエンジンであるC30A型(最高出力280ps/7300rpm、最大トルク30.0kg-m/5400rpm 5MT車)のポテンシャルは最大限に引き出される。